2008年3月17日(月)「しんぶん赤旗」

帰還米兵証言集会

差別語叫び市民虐殺


 【ワシントン=鎌塚由美】ワシントン近郊で開かれている米国のイラク侵略の実態を告発する帰還兵の証言集会「ウィンター・ソルジャー」三日目の十五日、イラクの人々を「人間扱いしない」米軍の姿を浮き彫りにする発言が相次ぎました。

 帰還兵たちは「巡礼者」を指すアラビア語にちなんだ「ハジ」という差別語が米軍兵士の中で多用されていると紹介し、イラクの人々への暴力的扱いを語りました。陸軍伍長だったマイク・トッテンさん(26)は、「“ハジが邪魔だ。車でひいてしまえ”などと非常に人種差別的な言葉を使った」「イラクの人々を二級市民のように扱った」と述べました。

 基地の警備に当たっていたジェフリー・スミスさん(元陸軍州兵)は、攻撃を受けた部隊が「斬首した遺体を山積みに」したトラックで戻ってきたのを目撃しました。若い兵士が「おれたちはこいつを完全に駄目にしてやった」と頭部を持って誇っていたと、米軍の狂気ぶりを語りました。

 前線基地の司令部にいたジェフリー・ミラードさん(元陸軍州兵)は、ケーシー司令官(当時)が「ハジ」と発言するのを聞いたと証言。検問所で米兵が二百発のマシンガンを市民の車に撃ち込み、家族四人を殺害した事件について報告を受けた大佐は、「このいまいましいハジが運転の仕方を知っていれば、こんなたわけたことは起こらなかった」とののしったといいます。

 ミラードさんは、イラク人に対する「非人間化」は「下部ではなく、軍トップから始まっている」と指摘しました。

国防総省の弁明

「会」が反論

 【ワシントン=鎌塚由美】米軍の占領の実態を自らの経験で告発している「ウィンター・ソルジャー」での一連の証言について、米国防総省報道官は、ワシントン・ポスト紙十五日付で「米軍の品行を代表するものではない」と弁明しました。

 これに対し「反戦イラク帰還兵の会」(IVAW)は同日、証言内容について「個人の品行ではなく、占領の本性である」と反論。「イラク戦争は勝利できない。占領は終結させられるのみだ」と強調しました。



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