2008年3月17日(月)「しんぶん赤旗」

主張

自衛隊情報保全隊

国民監視の強化は許されない


 防衛省は、陸海空三自衛隊ごとに置かれている情報保全隊を統合し、二〇〇八年度中に自衛隊情報保全隊に新しく編成する計画です。そのための自衛隊法「改正」案を近く国会に提出する予定です。

 自衛隊情報保全隊を編成する目的について政府は、「自衛隊に対する諜報活動に関する情報の効率的な収集・集約・分析・共有を図る」ためと説明しています(「防衛省改革会議」資料)。自衛隊内部の機密情報漏えい防止だけでなく、自衛隊の国民監視の活動を強化するのがねらいです。憲法が保障する基本的人権をじゅうりんする重大問題です。

反戦平和運動の敵視

 陸海空三自衛隊の各情報保全隊は、機密情報漏えい防止にとどまらず、反戦平和や生活改善要求にとりくむ国民の動きを監視するのが大きな任務の一つとなっています。日本共産党の志位和夫委員長が昨年六月に、陸自情報保全隊の内部文書をもとにあきらかにしたことでその恐るべき実態が発覚しました。

 国の政策を批判する国民を政府が監視するのは憲法違反です。ましてや憲法違反の戦争実施部隊である自衛隊が、平和的生存権をはじめ憲法で保障された権利を行使する国民を監視するなど、本末転倒です。絶対に許されることではありません。

 ところが政府・防衛省は、批判に反省するどころか、三自衛隊の情報保全隊を統合して、国民監視活動をさらに強化するというのです。各自衛隊の監視活動を一本化するのは、自衛隊が統一指揮のもとで、総がかりで国民の動きをもれなく掌握するためです。国民監視を強めるのは、日本を海外で戦争する国に変える政府方針と深く結びついています。

 政府は、国際平和協力活動を自衛隊の「本来任務」に「格上げ」し、アメリカの一国覇権主義にもとづく先制攻撃戦争への支援・参加を本格化させようとしています。政府が進めるこの海外派兵政策は「日本防衛」とも無縁であり、憲法にも違反しているのは明白です。二度と戦争をしないと誓った日本国民の多くが、海外で戦争することをめざす政府の方針に反対するのは当然です。イラク派兵に反対し、即時撤退を求める運動が大きく広がっているのはそのあらわれです。

 こうした国民の反戦平和のとりくみを封じ込めて、戦争態勢づくりを加速するのが政府のねらいであり、自衛隊情報保全隊の役割です。志位委員長があきらかにした陸自・東北方面情報保全隊の文書は、「国民的に高まったイラク派兵反対運動の調査を中心的な任務とし」と明記していました。自衛隊がいかに反戦平和の国民運動を敵視し、抑え込もうとしているかはっきりしています。

 侵略戦争と人権抑圧は不可分だというのが歴史の教訓です。戦前の日本がそうでした。再び戦争をくりかえさせないためにも、憲法が保障する集会、結社、言論などの自由をおびやかす自衛隊の国民監視活動を許さないたたかいが重要です。

「憲兵政治」許さない

 自衛隊情報保全隊の編成は、戦前の国家による国民統制と管理の復活につながりかねない重大問題です。戦前、軍隊の秩序維持を目的にした憲兵部隊が、やがて国民全体の監視機関になり、戦争政策に反対する声を圧殺したことが侵略戦争につながりました。こうした誤りを二度とくりかえさせるわけにはいきません。

 自衛隊による国民監視の強化を許さず、戦争政策の監視・告発活動を強めることが求められます。


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