2008年3月15日(土)「しんぶん赤旗」

続消費税なぜなぜ問答

社会保障の財源を考える(30)

Q 増税をさせない展望はどこに?


 福田内閣は「社会保障国民会議」で装いを新たにし、消費税を増税するための地ならしをはじめています。一部の商業メディアも加わり、増税の大合唱ですが、増税をさせないための運動発展の条件はどこにあるのでしょうか。

 まず、昨年の参院選で、自民・公明の与党に審判が下り、それまで以上に世論と運動で政治を動かせる状況が生まれていることです。

 もともと二〇〇六年十二月の自民・公明の与党税制「改革」大綱では、「〇七年度を目途に」「消費税を含む税体系の抜本的改革」をする予定でした。この計画では、〇九年度からの基礎年金の国庫負担二分の一への引き上げを口実に、昨年秋の臨時国会か、今の通常国会で増税法案を審議する予定でした。

 しかし、この消費税増税シナリオは狂わざるをえませんでした。世論と運動によって、参議院では消費税増税反対請願署名の紹介議員が、参院選前の二十二人から参院選後は七十二人に増えるなどの変化をつくり出したからです。

 次に、税金の使い方、集め方への関心と厳しい批判が広がっていることです。そして大企業・大資産家優遇税制、軍事費の「二つの聖域にメスを」という日本共産党の主張が多くの国民の共感をよんでいます。

 連合の「税制に関する国民の意識調査」(〇七年十二月実施)では、「税金の仕組みに満足していない」が81・2%、「消費税の増税に反対」が63・2%にのぼりました。理由(複数回答)は「税金の使い方に無駄がある」(82・8%)をはじめ、「高所得層を優遇した税制となっている」(45・4%)、「企業を優遇した税制となっている」(35・3%)などが多数を占めました。

 また、巨額の軍事費については、米軍再編に三兆円を投入する計画や防衛省の汚職事件、自衛隊イージス艦の事故、米兵の暴行事件によって、厳しい批判が広がっています。

 各種の世論調査では、六―七割の国民が社会保障のためでも増税反対と回答しています。『通販生活』春季号では、消費税増税「反対」が七割にのぼっています。

 一方、「増税は仕方がない」と考える人もいますが、勤労者の収入減、負担増と増税、物価高騰の連続で、くらし悪化がすすみ、積極的に賛成する条件はありません。

 最後に、消費税は、日本の支配勢力の戦略的課題であり、政府・与党、財界は本格的に増税攻勢を強めていますが、国民の反撃を恐れてもいます。「消費税は常に内閣の命運を左右する問題だった」(消費税導入時の官房副長官、石原信雄氏)歴史を持ちます。

 いま大事なことは、草の根の運動を広げ、消費税増税反対を圧倒的多数の国民の声にするとともに、増税反対の世論に見合う国会の力関係を築くことです。そのためも、消費税廃止各界連絡会が呼びかけている一千万人対話・署名運動は重要です。かつて一九九七年、消費税を3%から5%に引き上げる前の総選挙では、約七割の議員が増税反対・凍結を公約するという力関係をつくりました。それだけに、公約違反への厳しい批判が起きました。

 次期総選挙は、国会の力関係を変える絶好の機会です。日本共産党は、消費税廃止めざし、増税反対で一貫している唯一の政党ですが、この党の前進こそ増税阻止の決定的な力です。(おわり)



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