2008年3月15日(土)「しんぶん赤旗」

住友重機、昇格差別是正へ

JMIU支部が勝利和解


 住友重機械工業(本社・東京)による一方的な賃金削減や賃金・昇格差別、労組に対する不当労働行為が争われていた事件で、全日本金属情報機器労働組合(JMIU)住友重機械支部はこのほど会社側と和解協定書を結び、争議は全面解決することになりました。

 二月二十七日に東京都労働委員会で、(1)今後紛争が発生しないよう努力し、新たな問題が発生した場合は団体交渉で解決する(2)組合員一人の職級を〇八年六月一日付で一級昇格させる(3)組合員二人も同年七月一日付で元の事業所に戻す(4)組合に解決金を支払う―という和解が結ばれました。

 事件は〇二年一月、同社が賃金15%カットを含む大リストラを提案したことが発端。同社は多数労組と合意する一方で、JMIUとは交渉を一方的に打ち切り、就業規則を改悪して賃金カットを強行しました。JMIUは「一方的な賃金カットは許されない」と東京地裁に提訴し、都労委にも団交拒否・不誠実交渉の不当労働行為の救済を求めました。

 都労委はJMIU本部・地本との団交拒否は不当労働行為と認めず、賃金カット返還訴訟も〇七年二月、「会社の資金調達は切迫していなかった」として労働者の受けた不利益は認めながら、多数組合が受け入れたことを理由に退けました。

 これは当時、国会で審議中の「労働契約法」に盛り込まれた、使用者による労働条件の不利益変更容認を先取りしたものだと批判されました。

 支援共闘会議と支部は不当な判決・命令に屈せず、地域住民や全労連など支援の輪を広げて会社側を追い詰め、争議解決を決断させました。

 労組は長年の支援に感謝するとともに、「たたかえば勝てる」ことを確信と教訓にして労働者の要求を取り上げ、労働条件の向上に奮闘する決意を新たにしています。



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