2008年3月13日(木)「しんぶん赤旗」
春闘
賃上げ低水準
電機 産別最賃は1000円アップ
〇八年春闘で自動車、鉄鋼・造船、電機など大手各社の回答が十二日、一斉に出されました。貧困解消や内需拡大による景気回復が求められるなかで三年連続の賃上げとなりましたが、昨年並み水準にとどまりました。
自動車では、トヨタが空前の利益をあげながら月額千五百円の賃上げ要求に対し、昨年と同額の千円。日産は七千円(定期昇給分含む)の満額回答。本田は千円要求に対し昨年比百円増の八百円でした。
労組が二千円を掲げた電機は、十二社が千円。このうち東芝、日立、NEC、三菱電機、シャープなど八社が全額を賃金水準引き上げに充てます。
鉄鋼では二年間で三千円の要求に対し新日鉄、JFEスチールなど五社が千五百円。三菱重工、川崎重工、IHIなど総合重工は二千円。鉄鋼は基本給ではなく手当引き上げなどに充てます。
非正規労働者にかかわる要求では、電機連合が非正規の賃上げにつながる産業別最低賃金の千円引き上げで合意。中小金属が多いJAMでは、パートの最低賃金協定を引き上げ、時給九百七十円になった組合が出ています。
長時間労働是正のための時間外割増率引き上げでは、基幹労連やJAMの一部で休日割増率引き上げなどで合意した以外は、「コスト増」を口実に反対。働き方を含めて継続協議になりました。
記者会見した金属労協の加藤裕治議長は「十分とはいえないが、〇六、〇七年の賃金改善の流れを継続し、上向かせる役割は果たせたと思う」と指摘し、中堅・中小の労組がこの実績を超えていけるよう力を尽くしたいとのべました。

