2008年3月12日(水)「しんぶん赤旗」

新銀行東京

破たんは石原知事の責任

都議会 共産党「400億円増資やめよ」

都幹部、見通し黒字に改ざん? 調査要求


 東京都議会予算特別委員会で十一日、新銀行東京の経営悪化を理由に都が四百億円を追加出資する予算案の審議が始まりました。日本共産党の吉田信夫幹事長は、石原慎太郎知事が経営破たんの責任を旧経営陣に転嫁し、開設時の一千億円に加えて都民の税金をつぎ込もうとしていることを批判し、都民に謝罪してみずからの責任を明確にすべきだと主張しました。


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(写真)新銀行東京への400億円追加出資問題で石原知事を追及する吉田信夫都議=11日、都議会予算特別委

 吉田氏は、新銀行東京の過剰融資、ずさんな融資のおおもとに石原知事が策定したマスタープランがあると指摘。プランの原案では「三年後に引き続き赤字」という見通しが示されていたが、決定したプランは「開業三年目で黒字化達成」となっていたことを関係者の証言で明らかにし、「都の幹部だった津島隆一代表執行役と大塚俊郎取締役会議長(元都副知事)が黒字に改め数字を手直ししたという証言があるが事実はどうか」とのべ、調査を要求しました。

 石原知事は「銀行を発案したのは私だが、私がプランをつくったわけではない」と答弁。プラン策定の過程について「調査する必要があるなら(共産党が)なさったら結構だが、誰が内部告発したのか」と開き直りました。吉田氏は「マスタープラン策定の当事者は都であり都が調査すべきだ」と重ねて求めました。

 また仁司泰正元代表執行役ら旧経営陣の任命責任は知事にあると指摘。自己破産した人物を執行役にしたり、知事の政治団体に百万円を献金したブレーンを社外取締役に選任した事実を取り上げて、「当時の都局長が『役員候補は最終的に知事の了承を受けている』と答弁した。任命責任を棚上げするのは見苦しい限りだ」と追及しました。

 知事は「決まった人事を了承したが、私がこの人間をと決めたということではない」「私が最初から社長ならもっと大きな銀行にした」と弁明したため、吉田氏は「われわれの警告を無視して一千億円を失ったことは、いかに先の見通しがなかったかということだ」と厳しく批判しました。

 吉田氏は新銀行の再建計画について「まず実態と原因の経過を全面的に都民と都議会に明らかにすべきだ」と強調し、四百億円の追加出資案の撤回を要求しました。



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