2008年3月11日(火)「しんぶん赤旗」

参院

審議日程合意せず

市田氏“直ちに予算委開催を”


 二〇〇八年度政府予算案の審議入りをめぐり空転が続く国会は十日、参院予算委員会の理事懇談会などで審議入りをめざす協議が行われましたが、民主党が突如、日本銀行総裁の国会同意人事の問題をもちだし、日程協議に入れないと主張したため、審議日程が決まりませんでした。

 日本共産党の市田忠義書記局長は、同日行われた四野党の書記局長・幹事長と参院幹事長による会談で、「参院予算委員会を直ちに開催すべきだ」と主張し、一日も早く審議再開ができるように、与党が責任を果たすべきであり、民主党もイニシアチブを発揮するよう求めました。

 日銀総裁問題では、政府が七日、福井俊彦総裁の後任に、武藤敏郎副総裁(元財務事務次官)を昇格させる案を提示。十一日に正副総裁候補の所信聴取が衆参の議院運営委員会で行われます。民主党は現在まで、武藤氏に不同意の態度を示しています。

 また、参院予算委理事懇談会で民主党側は、鴻池祥肇予算委員長(自民党)が四日から連続して職権で委員会日程を設定したことなどを批判。鴻池委員長は「しっかり受け止めることとしたい」と発言しました。

 理事懇談会後、民主党理事は記者団に対し「明日(十一日)から審議入りするつもりだったが、国対に確認したところ、明日から入るなといわれた」と述べました。

 参院予算委員会は、与党側が鴻池委員長の職権による委員会の日程設定を強行する一方、民主党側が欠席戦術をとったため、審議に入れない事態が続いていました。

 日本共産党は衆院での与党による予算案などの強行採決を厳しく批判すると同時に、参院でこそ徹底審議を行うため、直ちに予算委での審議に入るべきだと主張し、与野党に働きかけてきました。


野党が書記局長・幹事長会談

直ちに審議再開し問題点の追及を

市田氏主張

写真

(写真)記者会見する市田忠義書記局長=10日、国会内

 日本共産党、民主党、社民党、国民新党の野党四党の書記局長・幹事長と参院幹事長の会談が十日、開かれました。

 会談後、日本共産党の市田忠義書記局長は、国会内で記者会見し、会談の内容について説明しました。

 会談で民主党の鳩山由紀夫幹事長は、国会で審議が空転していることについて、「衆院段階で与党が二〇〇八年度予算案と予算関連法案を強行採決したことで、国会が不正常な状況になっている」との認識を示しました。

 そのうえで鳩山氏は、「今後、四野党ができるだけ共同して、ことにあたっていきたい」と述べ、「与党が衆院段階で議長あっせんをふみにじった暴挙に抗議し、猛省を促したい。参院段階の審議で、公聴会、参考人質疑など徹底審議を求めていきたい」と主張しました。

 一部からは、「(参院予算委での審議に)簡単に応じると野党があまく見られる」などの意見や、参院での審議入りには、衆院での強行採決や参院予算委員会の委員長職権による日程設定というパフォーマンスについての与党側の謝罪を条件とすべきだとの意見も表明されました。

 市田書記局長は会談で、「衆院での与党の強行採決は『徹底審議』をうたった議長あっせんを踏みにじる許されない暴挙であり、わが党も強い憤りをもっている」と強調。「しかし、議長あっせんが反故(ほご)になったとは考えていない。参院での徹底審議が大事だ。(審議入りの前提として)謝罪を条件にすると、与党が謝罪を拒否すれば、永久に審議ができなくなる。抗議しながら、審議の中で、法案の中身と自公の態度のひどさを明らかにしていくべきだ」と主張しました。

 市田氏は参院で審議が空転している問題について、「予算委員長が職権で強引に審議日程を設定して、与野党協議による審議を始めるための努力を放棄した。同時に民主党の側にも『一週間は審議に応じない』と表明するなど、最初から審議拒否の態度をとった責任がある」と述べ、与党と民主党の双方に責任があると指摘。「一日も早く、国会審議がおこなわれるよう与党はきちんと責任をはたすべきだが、民主党も事態打開に向け積極的なイニシアチブをとってもらいたい。わが党は、参院予算委員会を直ちに開催すべきだと考えている」と主張しました。

 また、「四野党が共同してことにあたる」という鳩山氏の提起に対して、市田氏は「個別の法案への意見や国会戦術については、(野党間でも)意見が異なる点がある。そういう異なる点では共同歩調はとれないが、一致する点については今後も力をあわせていきたい」と強調しました。

 会談では最終的に(1)与党が議長あっせんを踏みにじって衆院で強行採決したことは極めて遺憾(いかん)であり、猛省を促す(2)参院段階で、ただちに審議がはじめられるよう、その条件づくりに力をつくす(3)イージス艦の衝突事故については、真相と責任の究明を行った上で、石破茂防衛相の責任を問う―という三点を確認しました。


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