2008年3月8日(土)「しんぶん赤旗」

出稼ぎ農民の待遇改善を

中国全人代のテーマに


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(写真)北京市内の建設現場で働く農民工=07年8月(山田俊英撮影)

 【北京=山田俊英】北京で開かれている中国の全国人民代表大会(全人代=国会)で出稼ぎ農民(農民工)の待遇改善がテーマになっています。六日には農民工の代表(議員)三人が記者会見し、社会保障の充実を求めました。

 農民工は農村に戸籍を置きながら都市に住んで働く人たち。人民日報が国務院(内閣)農民工弁公室の調査結果として伝えたところによると、二〇〇七年で二億一千万人にのぼり、農村人口のほぼ三分の一です。平均給与は月額一千元(約一万五千円)と都市労働者の三分の一以下です。

 農民工は建設労働者の八割を占め、欠かせない存在です。最近では、努力して技能を身につけ、少数ながら職場のリーダーになる人がいます。記者会見した三人(うち女性二人)も工場の現場主任や班長です。

 上海市選出の朱雪芹さん(30)は服製造会社の職場主任。中学校卒業ですが、会社から派遣されて三年間日本で研修し、日本語も身につけました。いまは共産主義青年団の支部長と労働組合の副委員長を務めています。「全国統一の社会保障の確立と年金について審議の中で意見を述べた」といいます。

 あとの二人も「急ぐのは待遇改善」(広東省選出、胡小燕さん)、「危険な仕事が多いので労災保険や安全対策を求めたい」(重慶市選出、康厚明さん)と語りました。

 温家宝首相は全人代への政府活動報告で、職場、職種が変わっても全国どこでも通用する社会保険の規定をつくると公約しました。「農民就労者の特徴に適した養老保険(年金)」「居住条件の改善」などの農民工対策も打ち出しました。

 中国では都市と農村の戸籍制度が別になっており、社会保障や年金で格差があります。農村から都市に戸籍を移すことは厳しく制限されています。政府内ではこの制度の改革が検討されています。


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