2008年3月7日(金)「しんぶん赤旗」

07年の米艦船の民間港寄港

ソ連崩壊後最多に並ぶ


 二〇〇七年に米軍艦船が日本の民間港にのべ二十八回寄港したことが、外務省が衆院予算委員会に提出した資料で分かりました。二十八回は、ソ連崩壊(一九九一年)以降、最多だった〇六年と同じ回数。海上自衛隊のイージス艦衝突事件で明らかになった軍事優先姿勢は、日米地位協定を盾にした米軍艦船の民間港寄港にも示されています。

 外務省の資料は、日本共産党国会議員団が要求したものです。

 〇七年の米軍艦船の民間港寄港で大きな特徴の一つは、掃海艦ガーディアンと同パトリオットが沖縄県与那国町の祖納(そない)港に入港したことです(六月)。同県内の民間港としては日本復帰(七二年)後初めての寄港となりました。

 与那国町が反対を表明し、沖縄県も自粛を求めていたにもかかわらず、「(米軍艦船は)日本の港に出入することができる」とした日米地位協定を盾に入港を強行。入港前には、米海軍が祖納港や島内の飲食・娯楽施設などをつぶさに調査していたことも明らかになりました。

 日米両政府は、在日米軍再編に関する合意(〇五年十月)に、軍事協力を向上させる分野として港湾の使用を明記。米軍がアジア太平洋地域に介入する際(周辺事態)などの日米共同作戦計画を検討するため、民間港などの詳細な調査や演習を実施することを盛り込んでいます。

 「周辺事態」も想定して〇七年十一月上旬から実施された日米共同統合実動演習の直前に、同演習に参加した米軍艦船のうち空母キティホーク、駆逐艦フィッツジェラルド、同マスティン、巡洋艦シャイローの四隻が民間港を使用しました(十月下旬)。キティホークは米空母として初めて室蘭港(北海道)に寄港しました。これらも、在日米軍再編合意の具体化といえます。

 二月には、最新鋭の米原子力空母ロナルド・レーガンが米海軍佐世保基地(長崎県)に停泊したのに伴い、その随伴艦である駆逐艦ラッセル、同ポール・ハミルトンがそれぞれ清水港(静岡県)と和歌山港に寄港しました。

 十二月には、イラクでの軍事作戦などを支援するため中東に向かっていた強襲揚陸艦タラワの随伴艦であるフリゲート艦イングラハムが、米軍艦船としてはおよそ八年半ぶりに高松港に寄港しています。

 日本各地の民間港は、米国に母港を置いている米軍艦船の補給・中継・出撃拠点にもなっています。

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