2008年3月3日(月)「しんぶん赤旗」

2010年 核兵器廃絶の具体化へ

ビキニデー原水協集会

若い熱意 心強く


 「核兵器廃絶のために二〇一〇年に向かってがんばろう」。会場に唱和が響きました。「二〇〇八年、核兵器廃絶、非核平和の日本へ大きなうねりを」を掲げ、原水爆禁止日本協議会は二日、静岡市内で「3・1ビキニデー全国集会」の六つの分科会と全体集会を開きました。千人が参加しました。


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(写真)3・1ビキニデー日本原水協全国集会・全体集会=2日、静岡市の清水文化センター

 全体集会で報告した高草木博事務局長は、一〇年の核不拡散条約(NPT)再検討会議で核兵器廃絶の「明確な約束」を実行させるため、地球的規模の行動をつくっていこうと提起しました。

 高草木氏は、アメリカの核戦略が新たな緊張を呼ぶもとで、世界で核兵器廃絶の声がわき立ち、アメリカのかつての政権中枢も「核兵器のない世界」を提唱していると指摘。「核兵器のない世界のための国際行動キャンペーン」として(1)核保有国をはじめ各国政府が核兵器全面禁止の交渉のテーブルにつくよう行動をつよめ、核兵器廃絶署名を広げる(2)被爆の実相を普及し原爆展を開催する(3)「非核日本宣言」の全自治体決議をめざし日本政府を動かす―ことをよびかけました。

 全国の代表が「核兵器のない二十一世紀」などと書かれたタペストリーをもって登壇し、「地域の運動を大きくし政府の姿勢を変えたい」と草の根の活動を交流。青年が「参加して自分が変わった」「やりたいことが見つかった」とリレートークすると、「いいぞ」「よし」と声援が飛びました。参加者が総立ちになって合唱しました。

 ビキニで被災した第五福竜丸の元乗組員、大石又七さんが「若い人の熱意を心強く感じた」と訴え、日本原水爆被害者団体協議会の田中熙巳事務局長、日本共産党の緒方靖夫副委員長が来賓あいさつしました。

 山梨県から初参加の看護師(23)は「体験者の話を聞けた貴重な機会でした。ほかの人にも伝えていきたい」と話していました。


緒方副委員長があいさつ

 日本原水協全国集会・全体集会での日本共産党の緒方靖夫副委員長の来賓あいさつの要旨は次の通りです。

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(写真)あいさつする緒方靖夫副委員長=2日、静岡市の清水文化センター

 このビキニデー集会は、日本原水協が一貫して掲げてきた核兵器廃絶の要求が世界のなかで具体的・現実的に提起されつつあるなかで開かれています。

 核兵器廃絶の最大の妨害者がアメリカ政府であることは、二〇〇〇年の核不拡散条約(NPT)再検討会議での核兵器廃絶の「明確な約束」を〇五年にほごにしたことによって、世界の共通の認識となっています。これをどう打ち破るかが最大の課題です。

 アメリカの世界支配は、外交、経済、核兵器によるどう喝の三点といわれます。外交と経済では世界におけるアメリカの地位は相対的に低下しています。核兵器の問題では、昨年、今年とキッシンジャー元国務長官らかつての核抑止論者たちが「核兵器のない世界」を提起しました。国際政治ではマレーシアが国連に核廃絶モデル条約を提出し、新アジェンダ連合が核なくせのイニシアチブを強めています。

 日本原水協は創設時から核兵器なくせを掲げ、世界の世論と運動を鼓舞し、情勢を切り開いてきました。核兵器全面禁止の声が世界中で高まるいまこそ、一〇年のNPT再検討会議に向け、運動を強化するときです。

 日本政府は、被爆国でありながらアメリカの核政策に同調・協力しています。これと対照的に日本原水協こそが核兵器なくせ、平和をとの国民の声を代表し、国連NGOとして権威を高めてきました。

 この到達点にたって新しい情勢を切り開くときです。原水爆禁止世界大会の成功に向け、奮闘しましょう。



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