2008年2月25日(月)「しんぶん赤旗」

談合逮捕者への便宜は背信行為

大林組を株主訴訟へ

市民団体


 大阪の市民グループ「株主オンブズマン」は二十四日までに、談合事件で逮捕者が相次いだ大手ゼネコン「大林組」に対し、「談合の根を絶とうとしていない」として、株主代表訴訟を起こすことを明らかにしました。一連の談合事件により、指名停止処分、信用失墜などで損害を被ったとして、当時の取締役を相手に計約三十九億円の損害賠償を求める訴訟を起こすよう大林組の監査役に請求していましたが、同社は取締役を提訴しないことを決めたため。

 株主オンブズマンは、昨年六月の大林組の株主総会で、同社定款に談合防止条文を新設するよう提案。同社がこの提案を受け入れたことから、旧防衛施設庁はじめ、大阪府枚方市発注の清掃工場、和歌山県発注のトンネル工事、名古屋市営地下鉄の延伸工事などの談合事件について、責任追及訴訟(株主代表訴訟)を見合わせることを表明していました。

 ところが、昨年十一月、枚方市の談合事件で談合罪で逮捕・起訴された二人の同社元顧問に対し、同社が顧問弁護士の紹介や保釈保証金の負担、大阪地裁への出廷にあたっての運転手付き社有車の提供などの便宜を図っていたことが判明。株主オンブズマンは、「株主や社会に対し、談合決別を唱えながら、その裏で、関西の談合を取り仕切っていた者に、これらの供与を行っていたことは許しがたい背信行為」として、同社監査役に、全取締役の責任追及、真相究明および再発防止のため、損害賠償請求の提訴を求めていました。

 これに対し、大林組は、請求書への回答で、「各工事の談合に取締役が関与した事実は認められず、善管注意義務違反も認められない」と説明。「不提訴が相当」としました。

 株主オンブズマンの松丸正弁護士は株主代表訴訟について、「本当に(談合と)決別するかを監視する意味でも、重要な裁判にしたい」と話しています。


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