2008年2月25日(月)「しんぶん赤旗」

“治療が半分になる”

後期高齢者医療制度に批判

都内でシンポ


 老人医療に携わる病院などで構成する「老人の専門医療を考える会」(会長=平井基陽秋津鴻池病院理事長)が二十三日、都内で後期高齢者医療制度を考えるシンポジウムを開きました。現場の医師らから、「国民が知らないまま制度を導入し、本当にやっていけるのか」など、不安や批判の声が相次ぎました。

 同制度では、七十五歳以上とそれ以下の患者とでは、診療報酬(医療の値段)が“別建て”となります。基調講演を行った平井会長は、「後期高齢者診療料として診療所に支払われる医療費は、一人当たり月六千円程度だ」と指摘。自身の病院の場合で計算すると、この値段では現行の半分相当の治療しか行えないことになるとして、「どちらかといえば医療を制限する方向に向いている」と、同制度に疑問を投げかけました。

 北海道・南小樽病院の大川博樹病院長は、同制度を定めた「高齢者の医療の確保に関する法律」が、「医療費の適正化」すなわち医療費の削減を目的にうたっていることを告発しました。大川氏は、現在七十五歳の高齢者は戦後の日本の発展を支えてきた世代であることを指摘し、「この方々に大きな影響を与える制度づくりを、財政的見地からだけの議論で行ってよいのか」と厳しく批判しました。


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