2008年2月18日(月)「しんぶん赤旗」

核兵器のない世界へ

保有国は約束果たせ

英CND創設50年反核サミット 国連上級代表ら訴え


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(写真)ロンドン市庁舎内で開かれた反核グローバルサミット=16日、(岡崎衆史撮影)

 【ロンドン=岡崎衆史】英国の反核団体・核軍縮運動(CND)創設五十周年を記念して「核兵器のない世界のためのグローバルサミット」が十六日、ロンドン市庁舎で二日間の日程で始まりました。

 初日の全体総会では反核活動家に交じって、国連や政府の代表など有力者が相次いで発言。二〇〇五年の核不拡散条約(NPT)再検討会議で議長を務めたセルジオ・ドゥアルテ国連軍縮問題上級代表は、市民社会と政府の共同で核兵器廃絶は実現できると訴えました。

 ドゥアルテ氏は「核保有国、特に、最も多くの核兵器を保有する二カ国(米国とロシア)は、NPT下での軍縮の約束を果たさなければならない」と、核保有国の責任を強調しました。

 核兵器を自ら放棄した南アフリカ共和国のアブドゥル・ミンティ国際原子力機関(IAEA)代表は、「核保有国は、安全保障のために核兵器が必要だと主張しながら、他国には保有するなといっている」と、核保有国の欺まん性を批判。また、「核兵器は地域を不安定化することはあっても安全を提供することにはならない」と強調しました。

 欧州会議親善大使のビアンカ・ジャガーさんは、「核兵器は奴隷制やジェノサイド(集団虐殺)と同様に厳しく禁じるべきだ」と訴えました。

 ロンドン市のリビングストン市長は、地球温暖化がもたらす壊滅的影響への対策が必要なときに、英政府は核兵器更新のために七百六十億ポンド(約十六兆円)を支出しようとしているとし、「政策の完全なゆがみだ」と批判。環境対策など国民が必要としている事柄に予算を使うよう求めました。

 会議には日本から、日本原水爆被害者団体協議会の岩佐幹三事務局次長、原水爆禁止日本協議会の高草木博事務局長らが参加。岩佐氏は分科会で、自らの被爆体験を語り核廃絶を訴えました。


 英核軍縮運動(CND) 核兵器など大量破壊兵器を廃絶し、将来の世代に真の安全保障を実現することをめざす英国の民間組織。一九五八年一月に創設されました。初代議長はノーベル文学賞受賞者の思想家バートランド・ラッセル。



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