2008年2月17日(日)「しんぶん赤旗」

民間人180人が死亡

スリランカ内戦 赤十字が増加懸念


 【ニューデリー=豊田栄光】赤十字国際委員会(ICRC)は十三日、スリランカ政府軍と反政府武装勢力「タミル・イーラム解放のトラ」(LTTE)の内戦激化にともなう民間人死傷者数を発表し、その増加に懸念を表明しました。

 発表によると、年初から二月十二日までの六週間で民間人が百八十人死亡、約二百七十人が負傷しました。ICRCは犠牲者数について、「恐るべきレベルに達している。多くは子どもで、通学途中に犠牲になっている」と警鐘を鳴らしました。

 政府軍発表では、今年殺害されたLTTE兵士は千二百三十八人、政府軍兵士は百五人、民間人九十人が死亡。軍民合わせてすでに二千四百人以上、一日平均六十人近くが亡くなっています。

 LTTEは少数派タミル民族の組織で、北部州と東部州の独立を求め、一九八三年ごろから武装闘争を開始。これまでに多くの自爆テロ事件を起こしています。今年一月二日、政府は二〇〇二年の停戦合意の破棄を決定し、同十六日に正式に失効しました。


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