2008年2月13日(水)「しんぶん赤旗」

米核兵器予算に1兆円

新型開発引き続き狙う


 ブッシュ米政権が四日、議会へ提出した二〇〇九会計年度(〇八年十月―〇九年九月)の予算教書は、核兵器関連予算として約百四億ドル(約一兆一千百億円)を要求しました。「老朽化」した核弾頭を改良するという「信頼できる交代用核弾頭」(RRW)計画には約一千万ドルを計上。前年度要求額の11・3%にとどまりました。しかしブッシュ政権は同計画を推進することも含め、核兵器を手放さない姿勢を強調しています。(山崎伸治)


 予算教書は、エネルギー省予算のうち、核兵器の開発や管理を行う国家核安全保障局(NNSA)に九十億九千七百万ドル、その他の国防活動として十三億千三百万ドルをあてました。合計百四億一千万ドルは前年度(見通し)の九十五億六千五百万ドルを上回っています。

 NNSAが現在推し進めているRRW計画は、一九六〇年代に製造され「老朽化」した核弾頭を「信頼性の高い」ものと交換するというもの。核弾頭を改良することから、事実上の新型核兵器の開発となります。

 前年度は同計画に八千八百八十万ドルを要求。ところが議会は、核兵器とその製造施設の縮小方針を示すまで予算を認めないとして、この予算を全額削除しました。

 にもかかわらず、ブッシュ政権は今回、同計画に予算を計上したうえ、核弾頭の主要な構成部分となるプルトニウム・ピットを製造する工場の建設費用として一億ドルを新たに要求しました。

 NNSAのダゴスティノ局長は七日、ジュネーブで開会中の国連軍縮会議で演説しました。米国が「軍縮」をすすめ、保有する核弾頭が一九五〇年代以来、最低になっていることを強調。同時に米国の核戦力が同盟国の安全を保障するとともに、核兵器の拡散や核軍拡競争を予防しているなどと述べ、米国が「信頼できる核戦力」を保有し続けることが必要だと述べました。

 新型核兵器の開発を進めるブッシュ政権の姿勢について、RRW計画の廃止を議会に働きかけてきた反核グループの代表デビン・ヘルフリッチ氏はブログで「この政権はメッセージを理解していない。議会も国民も新たな核兵器はいらないといっている」と批判しています。



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