2008年2月13日(水)「しんぶん赤旗」

主張

女生徒暴行事件

米軍人の極悪非道に抗議する


 沖縄でまた米軍人が女生徒に暴行するという痛ましい事件が起こりました。犯人の米軍人と犯罪をくりかえす米軍につよく抗議します。

 今回の事件は、一九九五年の米軍人による少女暴行事件の再来です。少女暴行事件のあと、米軍は犯罪をくりかえさないと約束し、綱紀粛正や軍人教育にとりくむと釈明しました。しかし、今回の事件は、米軍基地がある限り、犯罪はなくならないことを証明しました。政府のいうように綱紀粛正と再発防止を求めるだけでは、軍人犯罪をなくし、国民の安全を守ることはできません。犯罪の元凶である米軍基地の撤去をめざすことが不可欠です。

基地ある限り、犯罪が

 沖縄県警沖縄署は、女子中学生を暴行したとして、在沖縄米海兵隊キャンプ・コートニー(うるま市)所属の二等軍曹を逮捕・送検しました。

 調べでは、沖縄市で友人二人といた女生徒に「送っていくよ」と声をかけ、バイクで容疑者の自宅に連れて行きました。怖くなって逃げ出した女生徒を車で追いかけ、車に連れ込んで暴行したといいます。解放されるまで三時間あまり、屈強な米海兵隊員から追い回され、襲われた女生徒の恐怖は想像を絶します。

 基地の痛みを押し付けられてきた県民が怒りを噴出させているのは当然です。仲井真弘多知事は「決して許すことはできない」とのべ、東門美津子沖縄市長も「これからという子どもがこんな目にあうことは絶対に許されない」と怒りをあらわにしています。

 もともと基地が置かれ、米軍が駐留するところでは犯罪は避けられません。フィリピンであれ、韓国であれ、どこでも米軍人は、凶悪犯罪をくりかえし、国民を恐怖におとしいれています。基地がある以上、米軍犯罪がなくならないことは共通しています。

 日本、とりわけ沖縄ではさらに特別の事情が加わります。アメリカは血を流して沖縄を占領したと新兵に教育しています。それが“占領者意識”をあおり、沖縄での凶悪犯罪に拍車をかけているのは否定できない事実です。今回のようにいやがる女生徒を追いかけ、車に連れ込み暴行をはたらくことは、アメリカ国内なら大問題です。沖縄だからかまわないという意識があるからこそ、こうした暴行事件をくりかえすのです。

 今回も海兵隊員が犯行におよびました。海兵隊員に凶悪犯罪が多いのは海兵隊の属性そのものに原因があります。海兵隊は戦争のさいの“殴り込み部隊”です。アフガニスタンやイラクなどの戦場にいつ送り込まれるかわかりません。精神的に不安にならないという方が無理な話です。さらに、激しい日常訓練で鍛えたからだを若い海兵隊員がもてあますことも犯罪を多くしている原因になっています。米軍地位協定でそうした米軍に特権をあたえていることも、凶悪犯罪をくりかえさせている大きな原因です。

基地撤去を急ぐべきだ

 米軍に基地を提供し、米軍駐留を認める限り、凶悪犯罪はなくならないのはあきらかです。基地は犯罪の元凶です。米軍基地をそのままにしていては犯罪を防ぐことはできません。日本共産党沖縄県委員会は、ただちに米軍地位協定の見直しとともに、すべての海兵隊の撤退を申し入れました。国民の安全を保障するためには基地の撤去が早道です。

 日本政府は、米軍再編など基地恒久化政策をやめ、県民の悲願である基地の撤去・縮小に向かうべきです。



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