2008年2月11日(月)「しんぶん赤旗」

原子力空母ニミッツ

佐世保 きょう入港

「準母港化」に懸念


 米原子力空母ニミッツ(一〇二、〇〇〇排水トン)が十一日、米海軍佐世保基地(長崎県)に入港します。相次ぐ原子力空母の寄港に、地元では「準母港化」への懸念が強まっています。

相次ぐ寄港

 一月二十四日に母港サンディエゴ(カリフォルニア州)を出港したニミッツ空母打撃群は、定期整備中の通常型空母キティホーク(神奈川県・横須賀基地)に代わって五月まで西太平洋地域に配備されます。

 佐世保に初めて原子力空母エンタープライズが入港した一九六八年、「動く核基地」に被爆県・長崎は騒然としました。それから四十年後の今年、原子力空母の入港はニミッツで九回目ですが、うち五回は二〇〇二年以降に集中しています。(表)

 米海軍が太平洋地域への空母の重点配備を進めるもとで、佐世保はグアムと並んで重要な寄港地として位置付けられていることが分かります。

即応性強化

 ニミッツ打撃群は昨年四月から六カ月間、ペルシャ湾などに展開してイラク・アフガニスタン戦争や「海上治安作戦」(MSO)に従事しました。九月末に帰港したあと四カ月足らずで、再び長期作戦に就いたことになります。これについて米海軍は、短期間で地球規模の展開を行う「艦隊即応計画」(FRP)に基づいた行動だと説明。即応性の強化を図る狙いを示しています。

 この動きは佐世保市民にも影響しています。米軍が長崎県や佐世保市に寄港を正式に通知したのは、わずか三日前の八日です。ニミッツへの食料・燃料調達やゴミ処理、乗組員の輸送などを行う民間業者との契約も年々、遅くなっています。佐世保市全体も「即応性」を要求されています。

海兵隊部隊も

 ニミッツ打撃群の構成部隊で注目されるのは、艦載機部隊に米海兵隊の戦闘攻撃機FA18ホーネットの部隊が含まれていることです。

 米海軍と海兵隊は現在、戦闘攻撃機部隊の統合を進めています。在日米軍再編で米海軍厚木基地(神奈川県)の空母艦載機部隊を米海兵隊岩国基地(山口県)に移転し、一体として運用する計画も、その一環です。(竹下岳)


佐世保基地への空母寄港

02・8 ■エイブラハム・リンカーン

04・8 ■ジョン・C・ステニス

06・5 ■エイブラハム・リンカーン

06・11 □キティホーク

07・2 ■ロナルド・レーガン

08・2 ■ニミッツ

■原子力空母 □通常型空母



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