
2008年2月11日(月)「しんぶん赤旗」
岩国市長選
井原氏が大健闘
きん差で惜敗 艦載機移転批判示す
米海兵隊岩国基地への空母艦載機移転問題を最大の争点とした山口県岩国市長選は十日、投・開票が行われ、前市長の井原勝介氏(57)は大善戦・健闘しましたが、きん差で及びませんでした。当選は、自民党前衆院議員の福田良彦氏(37)。
井原氏は選挙事務所に集まった支援者らに、「みなさんの熱い思いを受け止めきれず申し訳ありません」と一言あいさつしました。今回の市長選は、艦載機移転反対を理由に国がカットした市庁舎建設補助金に代わって合併特例債を充てる予算案が市議会で四度否決され、井原市長が「民意を問いたい」と辞職したことで行われました。
井原氏は選挙中、「最大の争点は空母艦載機移転問題だ」とのべ、「市民の意思を再統一して早期解決に当たる。総理とも直談判する」と訴えました。福田候補が「来るものは来る。国からカネを引き出す」と移転を容認したことにたいし、「(艦載機は)一度来たら帰ってもらえない。責任をとれるのか」と批判しました。当選にはならなかったものの、半数近い市民が井原氏を支持したことは、艦載機移転に多くの市民が納得していないことを示しました。
福田陣営は、「市民の日々の生活が最大のテーマだ」と争点外しの宣伝を振りまき、「このままだと夕張のようになる」などとデマ宣伝や井原氏への中傷に終始。井原候補はこれに反撃しながら、「基地に依存しないまちづくりはできる」と堂々と訴えました。
労働組合や民主団体でつくる「住民投票を力にする会」は井原氏押し上げのため全力をあげましたが、あと一歩のところで及びませんでした。
投票率は76・26%で、前回を11・17ポイント上回りました。