2008年2月10日(日)「しんぶん赤旗」

酪農と環境守ろう

農漁業者らシンポ

北海道別海町


 北海道別海町で九日、酪農の未来と環境を考えるシンポジウム(同実行委員会主催)が開かれ、酪農家や行政関係者、漁業関係者ら百人が集まりました。

 竹内健児実行委員長(獣医師)は「度重なる配合飼料と燃料原油の高騰、乳価の実質低下で、農家は大幅な赤字になります」と酪農の厳しい状況を指摘するとともに、持続可能な酪農や環境問題、食の安心・安全について、「幅広い人から話を聞いて、解決の糸口を探したい」とあいさつしました。

 根釧農業試験場の酒井治さんは、酪農地帯から牛の糞尿(ふんにょう)や土壌が河川などに流れ出し、環境汚染になっている問題を取り上げ、講演しました。

 地域の酪農家たちが現場の報告を行いました。浜中町の男性(24)は、四年前に父が事故死し、妹や弟と力を合わせて百三十七頭の牛と酪農経営をしています。北海道開発局の基準でつくった糞尿処理施設がトラブルを起こし、「開発局は、現場をよく見てほしい」と訴えました。

 会場からの発言では、「乳価が下がっており、赤字で続けられない。これでは食料自給率もますます下がって、国民の食の安全も守れない」「餌のトウモロコシが高騰し、牛に牧草を食べさせる飼い方に変えていかないといけない」との意見が相次ぎました。また、漁業者からも「川がきれいでないと、漁業も成り立たない」と、ともに環境問題に取り組もう、との発言がありました。



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