2008年1月31日(木)「しんぶん赤旗」

「つなぎ法案」取り下げさせた国会の3日間

野党の提起 あっせんに生きた

事態打開へ働いた共産党


 「つなぎ法案」をめぐる国会の三日間の動きと日本共産党の態度を振り返ると――

「論外」と批判

 与党が「つなぎ法案」提出の姿勢を示したのは二十八日でした。

 自民党の伊吹文明幹事長が、与野党書記局長・幹事長会談で、ガソリン税の暫定税率の十年延長などを含む予算関連法案の年度内成立が確約されなければ「つなぎ法案」を国会提出すると表明したのです。

 日本共産党の市田忠義書記局長は「政府・与党が自らの法案が通らないために『つなぎ法案』でやるなど論外だ」と厳しく批判。他の野党も反発し、民主党は参院での首相問責決議案の提出や今年度補正予算案の審議拒否も辞さないとの態度を示しました。

 翌二十九日、野党四党の書記局長・幹事長が河野洋平衆院議長と会談。市田書記局長は、「つなぎ法案」の提出について、「今回の与党のやり方は、十年間の道路特定財源を確保する法案本体の審議に一歩も入らないまま、その成立を担保するものであり、衆参両院の審議を無意味にするものだ」とのべ、断じて容認できないと主張しました。

 一方、与党側は同日、(1)(予算関連法案から)道路特定財源(にかかわる税)だけをとりだして、議員立法で別法案をつくる(2)二〇〇八年度予算案、関連法案、議員立法の審議を十分におこなって、同時に国会で議了(3)合意が得られたならば修正に応じる―と提案しました。

市田氏の提起

 これをうけて同日夜、四野党書記局長・幹事長会談が開かれ、与党案は二十八日の提案と基本的に変わらないとし、受け入れないことを確認したうえで、市田書記局長が、「与党側に逆提案しては」どうかと提起しました。

 その中身は、租税特別措置法改定案などについて、「公聴会や参考人質疑を含む徹底的な審議を行った上で、期限内に一定の結論を出すために、与野党双方が努力する」ことを確認するというものでした。この提案に他の野党もそろって賛同し、三十日午前に与野党の書記局長・幹事長会談をおこない、与党に再考を促すことが決まりました。しかし同日夜、与党は法案を国会提出し、委員会審議の日程などを強行しました。

 三十日午前九時から与野党の書記局長・幹事長会談が開かれましたが平行線となりました。再び四野党の書記局長・幹事長が河野議長にたいし、あっせんのイニシアチブを申し入れるなど、同議長を含めた与野党間の調整が断続的に繰り返されました。その結果、午後に衆参議長・副議長および与野党書記局長・幹事長による会談が開催されました。

 そこで、衆参両院議長のあっせんという形で、提案がおこなわれ、各党が合意。与党は法案を取り下げました。

 市田書記局長は記者会見で、「この結論は、つなぎ法案の強行による国会審議の形がい化を阻止したという点で画期的な意義があった」とのべました。


3日間の主な動き

28日
○自公両党の政策会議、「つなぎ法案」を了承
○与党、野党に「つなぎ法案」提出の意向表明
29日
○与党、野党に「つなぎ法案」骨子提示
○河野衆院議長が与党幹事長、野党書記局長・幹事長らとそれぞれ会談
○野党書記局長・幹事長会談で事態打開策で合意。与党に協議を提起
○与党が野党の反対を押し切り「つなぎ法案」を国会提出
○与党が衆院議運委で翌30日の本会議開会の議決を強行
30日
○与野党書記局長・幹事長会談などを開催
○野党書記局長・幹事長が河野衆院議長と会談。議長は参院議長とも相談すると言明
○衆参両院議長のあっせんで与野党合意確認
○本会議開会中止



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