2008年1月30日(水)「しんぶん赤旗」

イラク戦争 継続強調

米大統領一般教書 経済不安に言及


 【ワシントン=鎌塚由美】ブッシュ米大統領は二十八日夜、米議会上下両院合同会議で任期中最後となる一般教書演説を行いました。イラク戦争について、増派作戦の「成果」を誇り、戦争継続の必要性を改めて強調。米経済の先行きに国民が不安を示すなか、経済問題に重点を置き、景気刺激策の承認を議会に求めました。

 一年前の一般教書でイラク戦争での増派作戦を正当化したブッシュ氏は、今回は「一年前にはわれわれのほとんどが想像できなかった成果」があると強調。「〇七年になしえたものを維持し、さらに作り上げる」ことが今後の目標だとし、満額での戦費承認を議会に求めました。

 イランについては、核開発の放棄を要求し、イラク戦争に関連するかたちで「米国はわれわれの兵士を脅かすものに立ち向かう」と表明。さらに「同盟国と肩を並べ、ペルシャ湾でのわれわれの死活的利益を防衛する」と強調しました。

 また「自由の課題」でキューバなどの国を挙げて批判する一方、〇二年の一般教書演説で「悪の枢軸」と批判した北朝鮮についてはまったく触れませんでした。

 温暖化対策では、「京都議定書」後の次期枠組み交渉について「潜在的に温室効果ガスの増加を緩和・停止・逆転させることにつながる国際的合意の締結を」と述べる一方、温室効果ガス削減の具体策は明示しませんでした。

 ブッシュ大統領は、冒頭で経済問題にふれ、米国民が直面する不安に言及せざるを得ませんでした。国民生活における政治の役割にふれ「われわれの前には未完の仕事がある。国民はわれわれに仕事の完了を期待している」とのべました。

 現在の経済状況については「不確かな時期」だとし、「全国の家計で、経済の先行きへの懸念がある」と指摘。議会に対し、経済刺激策法案を早急に通過させるよう訴えました。



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