2008年1月27日(日)「しんぶん赤旗」

半世紀ぶりトルコ訪問

キプロス問題 解決へ前向き

ギリシャ首相


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 【カイロ=松本眞志】ギリシャのカラマンリス首相が二十三日から二十五日まで、半世紀ぶりにトルコを訪問し、キプロス問題などで停滞していた両国関係の改善に期待が高まっています。二十三日のトルコの首都アンカラでのエルドアン首相との会談で、両国は平和構築と関係強化推進に合意しました。

 ギリシャとトルコは、一九六〇年に独立したキプロス領内のギリシャ系住民とトルコ系住民をそれぞれ支持して対立を深めてきました。

 その一方で、ギリシャとトルコの経済・文化交流は進展。一九九五年に二億ドルだった貿易額が〇七年には二十八億ドルに達するなど、今回の関係改善への動きの下地となっています。

 カラマンリス氏はエルドアン首相との共同記者会見で、懸案のキプロス問題がトルコの欧州連合(EU)加盟の障害となっていると指摘し、トルコ側に改善措置を求めました。同時に、トルコ領内で閉校状態にあるギリシャ正教神学校の再開問題に触れ、「少数者権利の保護はEU加盟のための重要な基準だ」と訴えました。

 カラマンリス氏は、トルコがこれらの問題を克服するならば、トルコのEU加盟を支持すると明言。これに対してエルドアン氏も、キプロス問題の解決と神学校の再開に努力すると述べるとともに、ギリシャ側に対して、同国北部のイスラム教徒の保護を求めました。


 キプロス問題 一九六〇年に英支配からキプロス共和国が独立。住民はギリシャ系が77・8%、トルコ系が10・5%など。六三年にギリシャ系住民とトルコ系住民の間で内戦が起き、六四年から国連平和維持軍が駐留開始。七四年にギリシャ軍事政権がキプロスに介入、トルコはトルコ系住民保護を理由にキプロス北部に派兵。八三年に「北キプロス・トルコ共和国」が独立を宣言したものの、トルコのみが承認。以来、南北分断が続いています。


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