2008年1月27日(日)「しんぶん赤旗」

ジユゴン調査せよ

名護新基地 米政府に連邦地裁

文化財保護法違反


 【ワシントン=西村央】米国のサンフランシスコ連邦地裁は二十四日、米国防総省にたいし、沖縄県普天間基地の移設先とされる名護市辺野古沖に生息するジュゴンへの影響調査を実施していないことは文化財保護法(NHPA)違反であるとして、影響調査を求める判決を出しました。


 この裁判は日米の環境保護団体などが文化財保護法に基づいてジュゴンの保護を求めていたもので、米国外での同法の適用が認められたのは初めてのことです。

 判決は、ジュゴンについての情報や普天間の代替施設がもたらす影響について、国防総省は評価や検討した証拠がないとして、文化財保護法に違反していることを認定。「計画は国防長官らによる最高レベルの承認を得ているのに、ジュゴンへの影響はよく理解されていない」「国防総省が法に基づく義務を履行するのを建設前夜まで待つことはできない」として、ジュゴンへの影響調査についての文書を九十日以内に出すよう求めました。

 この法律の国外での適用については、新基地建設は国防総省が関与している国家事業であり、それが日本の天然記念物であるジュゴンを傷つける可能性がある以上、適用は可との判断を示しました。

 この裁判は二〇〇三年九月に米国の自然保護団体「アースジャスティス」や日本のジュゴン保護基金、環境法律家連盟などが提訴しました。国防総省は〇五年に、ジュゴンのような生き物については文化財保護法が適用されないとして却下の申し立てをしました。これにたいして裁判長は、危険にさらされているジュゴンは、日本の天然記念物リストに挙げられており、文化財保護法のもとで保護される資格を持つとして、却下申し立てを退けました。



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