2008年1月17日(木)「しんぶん赤旗」

世田谷国公法弾圧事件公判

学者・元公務員が証言


 休日に職場から離れた集合住宅に「しんぶん赤旗」号外を配った厚生労働省職員の宇治橋眞一さん(59)が、住居侵入容疑で逮捕され、不当に国家公務員法違反罪に問われている「世田谷国公法弾圧事件」の第十八回公判が十六日、東京地裁(小池勝雅裁判長)で開かれました。弁護側証人として、立命館大学法科大学院の市川正人教授(憲法)が表現の自由の重要性を解説。元郵政職員の男性は、国家公務員が活発に選挙活動を行っていた実態を語りました。

 市川教授は表現の自由について「情報を伝えたいときに、伝えたい手段で伝える自由が保障される」と説明。ビラ配布は「財政的に豊かでない人にも使える手段で、メディアに載らない少数意見も伝えられる。情報伝達手段として意義のある方法だ」と述べました。

 同教授は、表現の自由が委縮効果を受けやすいことも指摘。ビラ配布行為に住居侵入罪を適用する場合は、ビラ配布目的の立ち入りを認めないという住民の総意があり、それが外部に明示される―などの厳格な要件が必要だと証言しました。

 その上で宇治橋さんの行為について「住居侵入罪の構成要件に該当しないと解釈すべきだ」としました。

 住居侵入罪に当たらなければ、逮捕や起訴には重大な違法性があることになります。

 二〇〇二年に定年退職した元郵政職員の男性は、一九七〇―八〇年代の全逓信労働組合(当時)の選挙活動について、「組合員が勤務時間外に、組織内候補を支援して戸別訪問や宣伝を行っていた。別の郵政労組も、独自の支持政党候補を支援していた」と語りました。

 男性は勤務時間外の活動について「上司に注意されたことはない」と証言。「郵便の仕事は集団のチームワークで行う。政党支持によって協力しないというようなことはない。業務が政治的にゆがめられることはなかった」と語りました。


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