2008年1月17日(木)「しんぶん赤旗」
ドイツの鉄道運転士労組
11%の賃上げ勝ち取る
十カ月にわたりたたかいを続けてきたドイツの鉄道運転士労組(GDL、三万人)が11%の大幅賃上げと労働時間短縮を勝ち取りました。
GDLとドイツ鉄道(DB)当局が十三日夜に合意した内容によると、賃金は今年三月から8%アップ、九月以降おそくとも来年二月一日までにさらに3%増になります。加えて労働者は二月二十一日までに八百ユーロ(約十二万八千円)の一時払い金を受け取ります。労働時間は現行の週四十一時間から週四十時間に短縮します。
GDLはDBに対し31%の賃上げを要求し、昨夏以来、数次にわたる全国ストをおこなってきました。国民の約六割はストを正当として支持しました。
GDLが大幅賃上げを要求した理由は実質賃金の低下。GDLは運転士の税抜き手取りは千五百ユーロ(二十四万円)、乗務員は千四百ユーロ(約二十二万四千円)であり、一九九四年のDB誕生以来、インフレや増税で9・4%も実質賃金が下がっていると主張していました。
GDLのシェル委員長は基本合意に達したとし、一月末までに全労組員にはかり最終決定したいと述べました。DBは賃上げを認める一方で、そのコストを乗車賃の上昇と人員削減で補う方針を明らかにしました。
ドイツでは大幅賃上げを求め各労組の交渉が、年明けから次々と始まっています。ドイツ労働組合総同盟(DGB)のゾンマー議長は今回の合意について「二〇〇八年の労働協約交渉のスタートとして注目すべき結果だ」と語りました。

