2008年1月17日(木)「しんぶん赤旗」

「核兵器のない世界に」

キッシンジャー氏ら4人

昨年に続き米紙に寄稿


 【ワシントン=西村央】米国の核戦略を推進してきた元国務長官や元国防長官、元上院議員ら四氏が十五日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルで「核兵器のない世界に向けて」と呼びかけました。これは昨年一月四日付同紙にその四人で寄稿したのに続くもので、昨年の提言に世界各国の元高官のなかで賛同が広がっていることにも触れています。


 二年連続で寄稿したのはキッシンジャー元国務長官(ニクソン、フォード政権時)、シュルツ元国務長官(レーガン政権時)、ペリー元国防長官(クリントン政権時)とナン元上院軍事委員長の各氏で、歴代政権の核戦略を統括する役割を果たしてきました。

 四氏は昨年の論文で、北朝鮮とイランの核開発に加え、テロリストが核兵器を手にする危険があるもとで、核抑止力に依存することは「ますます危険になる一方、ますます有効でなくなっている」と警告。核兵器廃絶のために「核保有国の指導者が努力を強め、核兵器のない世界という目標を共同の事業にすること」を提言していました。

 今年の論文では、引き続きテロリストが核兵器を手にする可能性について警戒感を表明し、昨年一月の提言以来、ゴルバチョフ元ソ連大統領、英国のべケット前外相などが提言の趣旨に賛同の表明をしていることをあげています。

 さらに昨年十月には、米国内で核兵器問題の専門家とともに、過去六代の政権の元高官が参加する会議を主催し、核兵器のない世界に向けたビジョンの重要性で合意したことをあげています。



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