2008年1月13日(日)「しんぶん赤旗」

グアンタナモ収容所

米軍は拷問やめ閉鎖を

人権団体や宗教者がデモ


 【ワシントン=鎌塚由美】ブッシュ政権によるグアンタナモ米軍基地(キューバ南東部)での「テロ容疑者」収容の開始から六年となる十一日、全米各地で同収容所の閉鎖を求める行動が行われました。ブッシュ政権は「テロとのたたかい」の名の下に、国際法を無視して収容を続けています。


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(写真)米最高裁前で、収容されている人たちに扮してグアンタナモ収容所の閉鎖を要求する人々=11日、ワシントン(鎌塚由美撮影)

 ワシントンでは連邦議会前の広場から米最高裁前まで、約四百人の参加者が収容者に扮(ふん)して行進。最高裁前では「憲法を守れ」「これ以上、拷問はいらない」と唱和しました。

 ブッシュ政権は収容者を、米議会が承認した特別軍事法廷で裁くことに固執。そのために、ジュネーブ条約によって保護の対象となる「敵性戦闘員」でもなく、国内法の対象ともならない「不法な敵性戦闘員」との分類をつくりました。

 しかし、これらにより、収容者は依然として司法手続きなしで拘束され続けています。

 モールでの集会では、人権団体や宗教者が訴えを行いました。アムネスティ・インターナショナル米国のコックス事務局長は、司法手続きなしの数年にわたる収容は「米国によるテロ」だと厳しく指摘。ブッシュ政権に「テロには司法で立ち向かえ」と要求しました。

 グアンタナモ基地をはじめ世界各地に散らばる秘密施設では、米中央情報局(CIA)による拷問が行われていることが明らかになっています。

 集会には、精神分析医が拷問にかかわってきた問題に光を当ててきたグループも参加。テキサスから参加した精神分析医のジル・フロレスさん(45)は「精神的拷問は、肉体的拷問より深い傷を残すと指摘されている。精神分析医の関与は、倫理に反することで許されない」と語りました。


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