2008年1月12日(土)「しんぶん赤旗」
コロンビア武装勢力 人質2人を解放
ベネズエラ大統領が仲介
【メキシコ市=松島良尚】南米コロンビアの反政府武装勢力「コロンビア革命軍(FARC)」に拘束されていた元副大統領候補のクララ・ロハスさん(44)と元国会議員のコンスエロ・ゴンサレスさん(57)の女性二人が十日、ベネズエラのチャベス大統領の仲介によって六年ぶりに解放されました。
ロイター通信などによれば、赤十字国際委員会のマークをつけたベネズエラのヘリコプターがコロンビアの密林地帯に入り、FARCから二人を引き取りました。二人はベネズエラの首都カラカスで家族らに迎えられました。
人質解放後、コロンビアのウリベ大統領は、チャベス大統領に感謝を表明。米国務省報道官は「チャベス大統領を含む関係者すべての仲介を歓迎する」と強調しました。サルコジ仏大統領はチャベス大統領に感謝すると述べ、まだ人質となっているイングリッド・ベタンクール元大統領候補(仏国籍も保有)らの解放への期待を表明しました。
チャベス大統領は、コロンビア政府の人質解放のとりくみが行き詰まる中、仲介に乗り出していました。昨年十一月、越権行為を理由にウリベ大統領から仲介役を解任されましたが、FARCが翌月、ロハスさんらを引き渡すとチャベス大統領に連絡していました。
FARCは軍人や警察官を中心に七百人以上を拘束しているといわれます。そのうち四十数人は、政治家や三人の米国人らです。

