2008年1月10日(木)「しんぶん赤旗」
NTT企業年金裁判
訴訟記録の閲覧制限
東京地裁が取り消し
NTTの企業年金をめぐる裁判で、東京地裁(定塚誠裁判長)が、訴訟記録の閲覧を一部制限した同地裁の決定について、これを取り消したことが九日、わかりました。
NTT退職者らが二〇〇六年十二月、同地裁が閲覧を制限した訴訟記録は「営業秘密に当たらない」と申し立てていたことに対し、同地裁が昨年十二月二十八日付で閲覧制限を取り消す決定を出していたもの。七日に申し立て人に通知されました。
裁判は、退職者への企業年金の減額について厚生労働省が認めなかったことを不服として、NTTグループが国に処分の取り消しを求めて提訴。昨年十月、同地裁は「減額がやむを得ないほど、経営状況が悪化していたとは認められない」として訴えを棄却、NTT側は控訴しています。
決定で同地裁は、閲覧を制限した部分のうち、企業年金額の算出に用いる「支給乗率」と、企業年金の情報などを掲載したNTTグループのホームページのアドレス等について、企業年金受給権者に広く配布されている情報だと判断。NTTの経営状況などの推移にかかわる情報も、営業秘密の要件を満たさないものだとしました。
閲覧制限の取り消しを申し立てていたNTT退職者の坂本光治さんは「国民の目の届かないところで裁判を行おうとしたNTTの思惑を阻止したもので、控訴審に大きな影響を与えるものです」と話しています。

