2008年1月7日(月)「しんぶん赤旗」

国民の利益を守って

日本共産党国会議員に聞く

被災者の悲願 住宅本体支援

与野党に働き掛け

高橋千鶴子衆院議員


 阪神淡路大震災以来、被災者と日本共産党が一貫して訴えてきた住宅本体への公的支援が、昨年十一月の法改正で盛り込まれた被災者生活再建支援法。党国会議員団災害部会長の高橋千鶴子衆院議員に聞きました。


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 ―被災者の悲願だった住宅本体への支援が実現しました。

被災地と連帯

 被災地の粘り強い運動と、それに連帯した党の活動と論戦が、実を結んだ瞬間でした。

 同法の改正は、今年の通常国会で見直されるはずでしたが、日程が前倒しされました。それはこの間、洪水や竜巻、大地震などが多発し、昨年七月の参院選でも国民の審判が下った。被災地の現状や国民の声が、事態を動かしたのです。

 私自身も、二〇〇四年改正以来、野党共同提案の提出者にもなり、見直しを繰り返し求めてきました。

 しかし、この間、民主党が単独で改定案を提出し、与党がなかなか審議をせず、先送りされるということが繰り返されてきました。そして、今臨時国会でも民主党が単独で提出したので、私は与党にはたらきかけました。今国会で絶対成案にしたい、と話しました。このときは「民主案が出されたら、与党も出さざるをえない。選挙だから」と言われ、危機感を感じました。九月下旬に党国会議員団として泉信也防災担当相に申し入れたときも、まだ消極的でしたが、十月の委員会のとき大臣が私の席にきて、「申し入れありがとう。意に沿うようにやっていきたい」と言ったときは、大きく動く予感がしました。その後、出された与党の改正案には、不十分な点もありましたが、住宅本体への支援が盛り込まれていました。

 ―民主、与党の両案に住宅本体への支援が明記されたのですね。

 そうです。私はこれはチャンスだと思い、今回改正できるよう、やれることは全部やろうと考えました。党の申し入れ文書と手紙を同封し、災害対策関係の与野党議員に届けたり、委員会や理事懇のたびに、「今国会で改正しよう」と呼びかけたのです。

 十月下旬には、志位和夫委員長が記者会見で「どの政党の提案であれ、現に苦しんでいる被災者を支援していくために現行法を一歩でも二歩でもよいものにしていくことが大事だ」「党派を超えて知恵をしぼるべきだ」と党の見解を述べました。これは一般紙でも報道され、ことが動く力になったと思います。

 ―住宅本体への支援の意義は。

 全国の被災地を回るようになって四年がたちましたが、そこで実感したのは、住宅の再建なくして、真の再建はないということでした。

 私は二〇〇五年一月の予算委員会で、与えられた四十分の時間を、すべて被災者支援問題にあてました。被災から十年たっても金策に駆け回っている神戸の被災者や、震災後に豪雪にみまわれ家が押しつぶされると心配する中越地震の被災者の声など、当時の小泉純一郎首相にぶつけ、住宅本体への公的支援を迫りました。そして首相から「支援法が生かせるかどうか、改善点はあるか、よく協議する必要がある」との答弁を引き出すことができました。こうした議論の積み重ねが、今回の改正につながったと思います。

働き盛り応援

 また、年齢要件の撤廃も重要な前進です。年収の少ない人を助けるのはもちろんですが、一定収入のある世帯でなければ住宅ローンは組めません。働き盛りの世代を応援しなければ、住宅再建も進まないし、地域も疲弊すると、訴え続けてきたことが盛り込まれ、うれしく思います。

 ―どんな思いでこの四年間、被災地と向き合ってきましたか。

 被災地に行くと、必死で泥をかきだしたり、家の片付けをしている被災者を前にして、自分に何ができるのかという気持ちになります。しかし、私にしかできないこともあると思い直します。それは被災地の声を、被災者の立場で国政に届けることです。

 昨年七月の中越沖地震では、当日、ヘリコプターで安倍前首相がかけつけました。空からは行けないけれど、これまでの災害でも、共産党が先に現地につきます。それは地元の議員が、自らの被災も顧みず、地域の人たちのところへ、とんでいったからです。

 現地の共産党は、避難所での環境改善から住宅の再建、また公営住宅に入る手続きや収入の少ない世帯への医療費減免の手助けなど、一人ひとりの被災者に寄り添って力を尽くしています。苦難あるところ日本共産党ありの精神でがんばる現地の人たちと連携しているからこそ、生きた質問ができると思っています。

 現制度にはまだまだ課題もあります。一人でも多くの人が生活を取り戻せるよう、今後も改善に力を尽くしたい。

聞き手 栗原千鶴


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