2008年1月4日(金)「しんぶん赤旗」
停戦合意を政府破棄
反政府武装勢力に通告へ
スリランカ
【イスラマバード=豊田栄光】スリランカ政府は二日閣議を開き、二〇〇二年に反政府武装勢力「タミル・イーラム解放のトラ」(LTTE)と結んだ停戦合意の破棄を正式に決定しました。停戦合意は一方が他方に破棄通告すれば、十四日後に消滅します。
ラジャパクサ大統領は昨年十二月十七日、「平和が可能となるのは、政府が軍事的にLTTEを弱体化させた時だけだ」と発言していました。
スリランカ最大都市コロンボでは二日、道路脇に仕掛けられた爆弾が爆発し、病人や負傷兵を病院へ搬送中の軍用バスが大破。兵士一人と民間人三人が死亡しました。政府軍はLTTEの犯行だとして非難しました。
LTTEは少数派タミル人組織で一九八三年ころから北部、東部地域の独立を求め武装闘争を開始しました。スリランカ政府は二〇〇二年、ノルウェーの仲介でLTTEと停戦に合意。両者の和平交渉も始まりました。
〇五年の大統領選挙では、対LTTE強硬派のラジャパクサ氏が当選。和平交渉は暗礁に乗り上げ、〇六年六月以降、政府軍は攻勢を強め、LTTEは東部州の拠点を失い、北部州へ敗走。その後LTTEは小型機で空港や政府軍施設などを爆撃してきました。

