2008年1月4日(金)「しんぶん赤旗」
与党内左翼が新連合
イタリア 2大政党に対抗
イタリアの与党連合(名称「ユニオン」)の左翼四党は昨年十二月初め、新しい連合「虹の左翼」を結成しました。与党連合の最大政党、民主党が二大政党制を目指して野党の右派勢力に接近するなか、右派と正面から対抗できる勢力をつくることが狙いです。
「虹の左翼」をつくったのは、共産主義再建党、共産主義者党、民主的左翼、緑の党の四党。これにより、与党連合は、民主党と「虹の左翼」という二つの勢力で担われることになります。
四党の活動家など五千人は、先月八―九日にローマで集会を開き、「虹の左翼」の趣意宣言を発表。次の大型地方選挙には統一リストで臨む方針を明らかにしました。
宣言は、「虹の左翼」は「左翼と環境保護活動家の新しい主体」だと述べ、国民運動との結びつきを重視しています。
また人間の労働や天然資源を単なる商品と扱う「自由主義的グローバル化」を批判し、「社会国家を保護、刷新する」と強調。外交では、核兵器を含めた軍縮を進め、多極世界をつくることを目標にしています。
再建党のジョルダーノ書記長は、「虹の左翼」は「右派の自由主義モデルと民主党の米国モデルの二極支配に対する代案」であり、「強制された二大政党制」に反対する連合だと説明しました。
ただ、発足はしたものの、具体的な政策や目標、各党間の関係などは今後の議論にまかせるとされています。国民の期待にどれだけ応えられるかが注目されます。(島田峰隆)

