2007年12月30日(日)「しんぶん赤旗」

ブット元首相暗殺

“背後にアルカイダ”

パキスタン政府が非難


 ロイター通信によると、ブット元首相暗殺から三日目を迎えたパキスタンでは、一部の元首相支持者たちによる暴力行為や騒ぎが各地で続きました。このなかでパキスタン内務省スポークスマンは二十八日、国際テロ組織アルカイダがブット元首相暗殺の背後にいると非難しました。


人民党側は証拠を要求

 同スポークスマンは、「アルカイダの幹部が暗殺の背後にいることを示す情報をもっている」と言明。アフガニスタン国境の連邦直轄部族地域、南ワジリスタン地区の部族幹部でイスラム武装勢力指導者のバイトゥッラー・メフスード容疑者が、首尾よくやったと部下を称賛する通信を傍受したと述べ、その内容を公表しました。

 ブット元首相の人民党スポークスマンは、アルカイダ犯行説の証拠を示すよう政府に要求。政府がブット氏に対して適切な警備態勢をとらなかったと非難しました。

 元首相支持者らが暴徒化する騒ぎは、各地で伝えられ、当局は二十九日までに少なくとも三十一人が死亡したと発表しました。混乱が長引けば一月八日に予定される総選挙が延期されるとの観測も強まっています。

 暗殺されたブット氏の遺体は二十八日、生家のある南部シンド州ラルカナ近郊に搬送され、埋葬されました。墓のある廟(びょう)には支持者ら数万人が訪れました。

 シンド州には軍隊が配置され厳戒態勢をしきました。参列者は涙を流してブット元首相の死を悼みました。多くの人々がムシャラフ大統領と米国を非難するスローガンを叫びました。


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