2007年12月27日(木)「しんぶん赤旗」

井原岩国市長が辞職

“民意問いたい”


 二十六日開かれた山口県岩国市議会十二月定例会で、井原勝介市長は二十八日付で辞職を申し出、承認されました。国からの庁舎建設補助金の代替財源に合併特例債を充てる予算案が四度否決され、五度目の提案となることから、井原市長は「私の首と引き換えに予算を通してほしい。予算がなくなれば市民に大きな迷惑がかかる」と話しました。

 保守系会派から市提案の補正予算に比べ合併特例債の借入額を減額し、市庁舎建設補助金四億八千万円を充てる修正案が提案され、賛成多数で可決されました。保守系会派や公明党の二十二人が賛成、日本共産党市議団(四人)など十一人が反対しました。

 日本共産党市議団の四人は反対討論に立ち、国が補助金を交付しなければ結局歳入欠陥になると指摘。約束した市庁舎建設補助金を一方的にカットした国のやり方が混乱の最大の原因であり、米軍再編とは切り離して、市民の暮らしを守るという一点で合併特例債全額を求めていくべきだと主張し、原案に賛成、修正案に反対する立場を示しました。

 予算が成立したことについて井原市長は「不十分ながら予算が成立したことは一面ではよかった」としました。辞職を申し出たことについて、議会との対立の原因の根本は米軍再編にあり、改めて民意を問うための前向きな辞職だとし、市長選に出馬する意向を示しました。

 日本共産党市議団の大西明子団長は「予算を否決し続けてきた艦載機移転容認派の議員は『民意は変わった』と主張してきた。『民意を問う』という市長の判断は当然です」と話しました。



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