2007年12月21日(金)「しんぶん赤旗」

自動車排ガス カリフォルニア州の規制案

ブッシュ政権が不許可に


 【ワシントン=鎌塚由美】カリフォルニア州が独自の自動車排ガス規制を行うため、米環境保護局(EPA)から許可を求めていた問題で、ブッシュ政権は十九日、カリフォルニア州の規制を阻止することを明らかにしました。カリフォルニア州のシュワルツェネッガー知事は同日、遺憾の意を表明し連邦政府に対し、法的措置をとることを明らかにしました。

 EPAのジョンソン局長は十九日、「ブッシュ政権は、各州の規制に惑わされることなく、明確な全国規模の解決策へ向かっている」との声明を発表し、カリフォルニア州の独自の排出量規制を許可しないことを表明。記者団への電話会見で「各州が個別に行動するより、これがより良いアプローチであると確信する」と語りました。

 カリフォルニア州は〇二年七月、全米で初めて、自動車排ガスの規制法を制定しました。自動車メーカーに〇九年モデルからの燃費の向上を義務付け、一六年までに30%の排出削減を求めていました。ただし実施には、EPAの許可が必要でした。

 EPAの発表は、ブッシュ大統領が同日、議会が可決した「エネルギー自給・安全保障法案」に署名した直後に発表されました。同法は、自動車排ガスを二〇二〇年までに40%削減することを盛り込んでいますが、排出削減の期限はカリフォルニアより四年先延ばしです。

 ブッシュ政権は同法を口実に、カリフォルニア州の独自規制を阻止したかたちです。

 カリフォルニア州のような自動車排ガス規制は、西海岸と東海岸の十二州がすでに採用。アリゾナ、コロラド、ユタ、フロリダの各州知事も採用の意向を表明していたものです。

 カリフォルニア州のシュワルツェネッガー知事は同日、「連邦政府がわれわれの行く手に立ちはだかり、何千万もの国民の意思を無視していることは嘆かわしい」との声明を発表しました。

 米国の環境団体「フレンズ・オブ・アース」は同日、EPAの発表は「温暖化とのたたかいにおける大きな後退だ」と述べる声明を発表。「連邦政府が動かない時に、先陣をきって取り組む各州の顔をひっぱたくようなもの」とブッシュ政権の妨害を批判しました。



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