2007年12月19日(水)「しんぶん赤旗」

未来社会を「社会主義・共産主義の社会」と呼ぶわけは?


 〈問い〉 日本共産党が展望する未来の社会つまり社会主義・共産主義の社会では、民主主義はどうなっていますか。私は、未来社会は一言でいえば「政治・経済・社会の全般にわたり民主主義が徹底されている社会」と思っています。そういえば国民にはわかりやすいと思うのですが、そういわずに「社会主義・共産主義の社会」というのはなぜですか。(神奈川・一読者)

 〈答え〉 日本共産党の綱領は、「社会主義・共産主義の日本では、民主主義と自由の成果をはじめ、資本主義時代の価値ある成果のすべてが、受けつがれ、いっそう発展させられる」と述べています。このような未来社会を「社会主義・共産主義の社会」と呼ぶのは、さしあたりの目標である資本主義の枠内での改革の実現(民主主義革命)と、さらに将来の、資本主義を乗り越えた社会主義・共産主義の社会への前進とを、区別しているからです。

 資本主義のもとでは、「利潤第一主義」が生産の推進力となっているために、不況や失業の発生を避けることができません。いま大きな問題となっている地球環境の破壊も、その根底には大企業の横暴な利潤追求があります。また、貧富の格差のおおもとの原因である「人による人の搾取」そのものは、資本主義社会である限りなくなりません。

 こうした問題を根本から解決するためには、大企業が独占している設備や機械などの「生産手段」を、実際に生産を担って働く人々の手に取り戻すことが必要です。そのことによって、貧困を根絶するだけでなく、不況・失業や環境破壊などにも有効な対策をとることができるようになります。しかも、労働時間の抜本的な短縮が可能になり、すべての人々の全面的な人間的発達を保障できるようになるのです。このようにして、搾取のない平等な人間関係に基づく社会の建設が始まり、「人類史の新しい発展段階」への道が開かれることを、党綱領は指摘しています。日本でも古墳時代から千数百年にわたって続いてきた階級社会、つまり人間による人間の搾取を土台とした社会が、終わりを告げるということです。

 未来社会の展望を、「社会主義・共産主義の社会」という言葉で表現するのは、このように民主主義の徹底だけにとどまらない深い意義を持っているからです。(石)

 〔2007・12・19(水)〕


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