「払える人に払うということ」

「消えた年金」公約で釈明に終始

　自民党の伊吹文明幹事長は十六日放映のフジテレビ系番組「報道２００１」で、安倍晋三前首相が先の参院選で、「最後の一人」にいたるまで年金記録をチェックして支払うと公約したことが実現困難になったことに関連して、この公約は「払える人に払う」という意味だとの釈明に終始しました。

　福田内閣発足時にも同様の公約を口にした福田康夫首相や舛添要一厚生労働相が相次いで公約を覆す発言をしていることを指摘されると、伊吹氏は、それらが不適当な発言だと認めました。

　その一方で、安倍首相当時の公約は「払える人に年金を払うといっている」「そう間違ったことは言ってない」と説明。千九百五十万件もの年金記録がコンピューター上では確認できなかったことについて、「国民のみなさまに率直におわびを申し上げたい」などと謝りながら、「公約違反ではない」と正当化しました。

　司会者が「“払える人に払う”と、微妙に言葉を変えているのでは」と指摘すると、伊吹氏は、年金記録のなかには、死亡や脱退ですでに年金を支払えない人が含まれているなどと、問題をすりかえました。

　参院選の法定ビラをみても、自民党自身の公約違反であることは明らか。「公約違反ではない」と言い訳する姿には、国民の権利を守ろうという責任ある姿勢は感じられません。

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