2007年12月16日(日)「しんぶん赤旗」

温暖化防止 2007バリ

「京都」後へ行程表採択

温室ガス削減 地球規模の行動へ一歩

「数値」は見送り


 【ヌサドゥア(バリ島)=鎌塚由美】三日から開かれていた国連気候変動枠組み条約第十三回締約国会議(COP13)と京都議定書第三回締約国会合(COP/MOP3)は十五日、次期枠組みの交渉内容を盛り込んだ「ロードマップ」(行程表)を決定し、閉幕しました。温暖化防止へ向けた地球規模の取り組みの新たな一歩を踏み出しました。


 会議は最終日だった十四日深夜も交渉が続き十五日午後に終了。ギリギリまでもつれ込み、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長、インドネシアのユドヨノ大統領が採択を強く訴える場面もありました。

 最大の排出国である米国が温室効果ガスを削減する自らの責任は放棄する一方、途上国の削減行動で強硬な態度を崩さなかった場面では、会場からブーイングが起こりました。途上国が「米国のリーダーシップを示せ」と一致して迫りました。

 バリ会議は、すべての国が参加する作業部会の新設を決定。京都議定書を批准した先進国の次期削減目標を議論している現行の作業部会と並んで交渉する「2トラック」方式が採用されました。

 遅くとも来年三―四月に新部会の初会合を開催し、〇九年末のCOP15で次期協定の採択を目指します。

 決定文書で行方が注目された削減数値への言及については見送られ、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第四次報告」に基づき気候変動に対処する「緊急性」が盛り込まれました。先進国の排出量削減と同時に、途上国の排出削減の「行動」が明記されています。米国を含んでいない京都議定書に参加する先進国に対しては、削減数値を盛り込んだ文書が別に採択されました。

 一三年以降の「ポスト京都」の検討では、▽ビジョン▽温室効果ガスの削減政策▽温暖化に伴う被害抑制策▽温暖化対策の技術▽投資・資金―の五つの分野を取り上げます。

 会議で議長を務めたインドネシアのウィトゥラル環境相は、行程表の採択を歓迎すると同時に、「目の前には大きな仕事がある。交渉合意までの時間はきわめて短く、すぐさま行動を起こさなくてはならない」と語りました。


ポスト京都の行程表 (骨子)

△国連「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」第4次報告書に対応

△世界全体での温室効果ガス排出の大幅削減が必要

△気候変動に緊急に対処することが必要

△すべての先進国は適切な削減約束を検討

△発展途上国は適切な削減措置を検討

△すべての国が参加する新作業部会を設置

△作業部会は2008年4月までに初会合、09年に作業を完了

△ビジョン、緩和、適用、技術、資金と投資の5つの要件について協議



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