2007年12月13日(木)「しんぶん赤旗」

温暖化研究に政治介入

米議会報告書 ブッシュ政権を告発


 【ワシントン=山崎伸治】米下院政府改革委員会のワクスマン委員長(民主党)は十日、ブッシュ政権が政府機関での気候変動研究に政治的な介入を行い、国民に対する正確な情報の伝達を妨害しているとする報告書を公表しました。

 報告書は同委員会による過去十六カ月の調査を踏まえたもの。「政権は計画的に、気候変動に関する科学研究を操作し、地球温暖化の危険について政策立案者や国民をあざむこうとしてきた」と明記しています。

 報道機関が政府機関の科学者に気候変動問題で取材を求める際には、ホワイトハウスの「環境の質に関する評議会」の承認を得るのが「通例」だと指摘。「どの科学者が報道機関の質問に答えるかを管理することで、ホワイトハウスは政権の方針と対立するような科学的見解が広まるのを抑えた」と述べています。

 さらに「気候変動に関する報告書を編集し、その重大さを最小限の評価にとどめようとした」と指摘。ブッシュ政権が二〇〇三年に発表した報告書「気候変動科学プログラム戦略計画」は、約三百六十ページに少なくとも二百九十四カ所の修正が同評議会によって施され、「(気候変動に関して)科学的にはっきりしないことを誇張ないし強調し、地球温暖化で人間の果たす役割が重大であることを軽視ないし無視した」と告発しています。



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