2007年12月6日(木)「しんぶん赤旗」

幹部会 志位委員長のまとめ(大要)


 日本共産党が三日に開いた幹部会で志位和夫委員長がおこなった討論のまとめ(大要)は次の通りです。

志位委員長の報告→


5中総決定をうけての新しい前進――わが党の不屈性をしめすもの

 みなさん、ごくろうさまでした。討論のまとめをのべます。

 今日の幹部会会議は、全体として、わが党が新しい前進を開始している、明るい息吹が反映した会議になったと思います。

 これはたいへんに大事なことです。参議院選挙の結果は、日本の政治の発展のプロセスという点で見ると新しい局面を開いたと大局的に評価できるものですが、わが党にとっては悔しい結果でもありました。そういうところから出発して、全党の英知を集めた五中総決定で、このたたかいから教訓を引き出し、総選挙勝利の方針をうちたてた。この五中総決定にもとづいて、党がいまの情勢の激動にふさわしい攻勢的な姿勢で、背筋をピンと伸ばして、前進を開始しているというのは、わが党の不屈性をしめすものであって、たいへん大事であります。

 いま党活動のさまざまな到達点の評価をするさいに、もちろん私たちは、お互いに現状に満足しているわけではなく、「あれも足りない」、「これも足りない」、「遅れている」ということがさまざまあると思いますが、そこばかりを見て全体の流れが見えなくなってはいけません。弱点はよく見ながらも、五中総決定にもとづいて重要な前進を始めているというところにまず光を当て、前進の具体的な事実をしめし、まだ萌芽ではあっても前進の要素、可能性を発見して、そこから教訓を引き出し、全党を励ましていく、そのなかで弱点についてもよく見ながら打開していくという指導姿勢が、たいへんに大事になっていると思います。

 常任幹部会の報告は、そういう見地でまとめましたが、それにこたえた討論も、全体として前進の息吹、明るい空気がみなぎった討論となりました。五中総以降、全党の二カ月半の努力でつくってきた成果に確信をもって、さらに発展させるという見地で、指導と活動を大いに強化したいと思います。

「大運動」のとりくみが生き生きと交流――これを文字どおり全党運動に

 そのうえで、四点について端的にのべておきたいと思います。

 第一は、「大運動」の問題です。討論では、この運動がたいへん大きな威力をもっているということが、こもごも出されました。まだ運動の規模としては、約一割の支部がとりくんでいるという段階ですが、その段階でも「大運動」が党の前進にとってたいへん大きな力をもっていることが、これだけ生き生きと交流されたということは、これが全党に広がったらどれだけの力になるかを予感させるものとなりました。

 討論のなかでは、機関幹部、国政選挙予定候補者、地方議員が先頭に立って弁士をつとめ、運動のけん引車となっていることが、生き生きと語られました。

 とりわけ機関の長がみずから講師・弁士をつとめ、どんどん国民のなかにはいって、そこでつかんだ実感をもって支部を激励し、とりくみをすすめていく重要性がたくさん語られました。それぞれの奮戦報告はたいへん面白いものでした。岩中愛知県委員長は、(弁士養成の講座に)中央から講師が来なかったので、自分で勉強して二時間の話をし、県委員長が先頭にたって運動をすすめていることを語りました。若林東京都委員長からは、青年のなかで弁士活動を繰り広げているという発言がありました。渡辺京都府委員長が、「語る会」と五中総決定の徹底で、のべ二千三百人の人々と語り合うことを目標にしてとりくみ、半分くらい達成したとの報告も、刮目(かつもく)して聞きました。

 国民に綱領の中身を語り、多数派を結集するというのは、総選挙勝利のために大事だというだけでなく、将来を展望しても、綱領路線の実現にむけて一貫して追求すべき課題ですが、その運動が、党機関の長を先頭にして全国各地ではじまったというのは、ほんとうに大きな意義があることです。

 討論では、“立体作戦”という点でも「大運動」が力になって、党員拡大、読者拡大、後援会活動などいろいろな活動がすすんでいるということも出されました。それから、選挙活動を日常化していく一つの重要な運動形態になっているということも言われました。さらに、これまで党の演説会に参加したことのないような新しい人たちが多数参加しはじめたということも言われました。この運動には無限の可能性があります。これを文字どおりの「大運動」にしていくために、お互いに力をつくしたいと思います。

「六百五十万票以上」の得票目標――すべての支部が年内にもって自覚的活動を

 第二に、総選挙にむけた方針と活動の問題について、二点ほどのべます。

 一つは、「六百五十万票以上」という全国的な得票目標を、機関と支部の自覚にしていく問題です。

 討論でも、党機関の段階では、得票目標がたいへん積極的にとらえられ、自覚されて、大きな構えがつくられつつあることが語られたと思いますが、支部の段階では得票目標をもつことが弱いことも共通してのべられました。この点は機関の責任で、中央自身も推進に弱点がありました。「別刷り」を見ても、この点が弱かったことは明瞭(めりょう)です。私たち自身も大いにとりくみを強めていきたいと思います。

 ただ討論のなかで、支部が自覚的に得票目標をもてば、どんな力を発揮するかの経験ものべられました。西野北海道委員長が、札幌白石・厚別地区では97%、十勝地区では80%の支部が得票目標をもったとのべました。北海道ブロックで議席を奪回するためには、11・1%以上の得票率が必要になる、この見地から得票目標の問題を、侃侃諤諤(かんかんがくがく)の議論をして支部が決めることによって、選挙勝利をめざす運動に“生きた魂”が吹き込まれ、十勝地区ではこれまでやったことのないような党員拡大がすすんでいるという報告でありました。

 支部が得票目標をもつことは、まだ全党的に不十分な到達ですが、これをぜひすべての支部で年内に決めきって、総選挙勝利をめざす活動を支部の自覚的な運動にする力にしていくようにしたいと思います。

比例に力を集中する新しい方針――その意味を広く国民にも伝えていく

 いま一つは、比例代表選挙に力を集中する新しい方針の問題です。討論では、全国的にも、それぞれの地方でも、マスメディアのもっぱらの関心が、わが党が小選挙区に候補者を立てないところで、日本共産党支持者の票が小選挙区でどこに行くかにあり、そこばかりを報道する状況があることが語られました。あたかも日本共産党が選挙全体から身を引いたかのように、そこばかりに注目した報道の仕方をしています。

 そのことも考慮して、私たちは、五中総で決めた新しい総選挙方針の基本を、国民にたいしても広く伝えていく必要があります。すなわち、「今度の方針は、何よりも比例代表選挙で日本共産党が前進するために、私たちの力を最大限効果的に発揮するための方針です。どうか比例代表で日本共産党を伸ばしてください」、「小選挙区では候補者をしぼりますが、比例代表ではかつてない候補者を擁立して、全都道府県にその県内で活動する比例候補者をすでに擁立してがんばっています」などのことも語り、わが党の今度の選挙にかける意気込みを、有権者にも伝えていくことが大事であります。

年内にすべての党員を訪問し、5中総決定を伝え、財政でも前進を

 第三に、五中総決定の読了・徹底の問題です。

 討論をつうじて、読了・徹底で一刻も早く四割台、そして過半数の突破にむかおうという意気込みが、共通の決意となったと思います。読了・徹底は、いま35・7%という到達点ですが、「ここから先が大事だ」ということも共通してのべられました。

 そして、ここから先に前進させるうえでは、すべての党員を訪問する活動が大切になってくることも共通してだされました。多くの同志の発言で、五中総決定は、支部総会や支部会議に参加している党員はだいたい読了・徹底してきている、これから先は、会議などに来られなかったような同志を含めて、すべての党員を訪問して五中総決定の中身を語り、あるいはダイジェスト・ビデオを渡して、その内容を伝えていく活動を重視していきたいということがのべられました。

 ここが非常に大切になってくると思います。ぜひ年内に、この活動を、ほんとうに執念を燃やしてやりぬいて、これまでいろいろな事情で党の会議などに参加できなかった同志にも、すべて声をかけきって五中総決定の内容を伝え、それぞれの同志たちの置かれている実情や要望もよく聞きながら、いまの政治を語り、選挙にともにたちあがろうとよびかけていく。財政の面でも党費をきちんと納めてもらう。このとりくみを年内にやりきりたい。ここから先、いまが努力のしどころだと思います。

12月に諸課題の前進・飛躍を必ずつくり、「支部が主役」でさらに発展を

 第四に、解散・総選挙にむけた運動のリズムをどうつくっていくかという問題です。報告でものべましたが、解散・総選挙の時期がどうなるかは、何とも言えません。いまの国会がどういう終わり方になるのかということも分かりません。

 そういう状況のもとで、どうやって運動を発展させるか。その基本は、いつ解散・総選挙となっても、受けて立って勝利する態勢をつくるとともに、「支部が主役」で運動を末広がりにしていく、運動の「軸」に支部を基礎とした「大運動」をすえてこれを発展させていくことを、いっかんして追求していくことにあります。

 そのうえで重ねて強調しておきたいのは、この十二月に「大運動」の課題でも、それを「軸」にした党勢拡大、選挙勝利の諸課題、財政問題でも、必ず前進・飛躍をかちとって、新しい年を迎えることは、まずさしせまった非常に大事な関門となっているということです。十月、十一月と、せっかくみなさんの努力で前進の波をつくりだしてきたのですから、十二月の前進にはとくに大きな力がいることは多言を要しませんが、いろいろな困難を突破して、十二月に必ずあらゆる課題で前進をつくって新年を迎えたい。その決意を固めあいたいと思います。

 それから、来年の春先をめどに、各都道府県で大きな演説会なども企画され、とりくまれつつあると思います。次の運動のリズムの焦点、節目は、そこになっていくことになるでしょう。そうした来年のとりくみの展望もいまから明瞭にしながら、今年の残る期間、力をつくしたいと思います。

 以上で討論のまとめとします。


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