2007年11月29日(木)「しんぶん赤旗」

子育て支出割合が最低

年収による二極化すすむ


 野村証券が二十六日発表した「家計と子育て費用調査」によると、子育て関連費用が家計支出に占める割合を示す「エンジェル係数」が26・2%となり、比較可能な一九九一年以来過去最低を記録しました。

 子ども一人当たりの子育て関連費用の平均支出額は、高年収層で増加に転じる一方、年収三百万円未満の階層では、二〇〇一年以来最低となりました。同社は「年収の多寡によって子育て費用の二極化が進んでいる」と分析しています。

 また、景気の実感については、年収一千万円以上の高年収層で38・8%が「良くなっている」(「かなり」3・8%、「やや」35%)と感じる一方、同三百万円未満の階層では「かなり悪くなっている」「やや悪くなっている」の割合が合計21・6%と高い割合を占めました。

 「節約・倹約をしている」は80・4%(「かなり」15・7%、「やや」64・7%)を占め、年収が低くなるほど「かなり節約」の割合が高くなっています。具体的には、「自分自身(母親)のための支出」が最も倹約され、「子どものための支出」についても年収が低いほど節約する傾向にあります。

 調査は、首都圏と京阪神で高校生以下の子どもをもつ母親を対象に二年に一度実施。今回は七月に郵送方式で行い、七百人から回答を得ました。

 エンジェル係数のピークは九三年の33・4%。子ども一人当たりの平均支出月額を見ると、〇七年は少子化の進行を背景に、四万二千円と〇五年の前回調査から千円増加しました。ただ、世帯年収別で見ると、年収一千万円以上では六万八千円と六千円増加する一方、同三百万円未満では八千円減の二万四千円にとどまり、年収による「格差」が広がりました。


 エンジェル係数 子どもの衣食住のほか、学校や塾の授業料、病院やレジャーの費用、小遣い、学費預金、子ども保険など高校生以下の子どもに関するすべての支出が一世帯の総支出に占める割合を示します。



表

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