2007年11月27日(火)「しんぶん赤旗」

温暖化対策で協力

中仏首脳会談 航空など3兆円契約


 【北京=山田俊英】中国を初めて公式訪問しているフランスのサルコジ大統領は二十六日、北京の人民大会堂で胡錦濤国家主席と会談し、地球温暖化をはじめ国際問題で意見を交わしました。両国は、気候変動問題で共同声明を発表。航空、原子力など総額二百億ユーロ(約三兆二千億円)の大型商業契約を結び、経済・貿易分野を中心に関係を強化しました。

 胡主席は会談で、両国が戦略対話・協力を深め、国際問題で緊密に協力していくことを提起。「平和が永続し、共に繁栄する調和のとれた世界を共に築きたい」と表明しました。

 サルコジ大統領は「フランスは中国の発展を支持し、引き続き関係強化を図る」と述べました。両首脳は、イランの核開発、ダルフール情勢などについても協議しました。

 気候変動に関する共同声明は、温室効果ガスの排出規制のため技術面を含めた両国の協力を表明。京都議定書の目標期限が切れる二〇一三年以降の対策を〇九年までに完成させるため、来月インドネシアのバリで開かれる気候変動枠組み条約第十三回締約国会議(COP13)に両国が積極的に参加することを確認しました。

 また両首脳は、原子力平和利用、新伝染病の予防、投資の相互促進など二十余りの政府間協定の調印に立ち合いました。

 調印された商業契約は、中国がエアバス社から航空機百六十機(総額百二十億ユーロ=約一兆九千億円)を購入する契約や、仏国営の原子力エネルギー企業アレバが中国の広東核電集団に次世代欧州加圧水型軽水炉(EPR)二基(約八十億ユーロ)を売却する契約など。仏側には企業の代表四十八人が同行しました。

 会談後の共同記者会見でサルコジ大統領は、貿易不均衡問題に触れ、「為替レートは調和のとれた公正なものである必要がある」として、中国に人民元の切り上げを求めました。また、中国の人権問題について「司法、報道、死刑などの分野でさらに前進を望む」との希望を表明しました。



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