2007年11月27日(火)「しんぶん赤旗」

主張

「九条の会」交流集会

「守る」「生かす」運動さらに


 各界の著名な九氏の呼びかけで始まった「九条の会」の第二回全国交流集会が開かれました。全都道府県から五百五十の「会」代表ら千人を超える老若男女がつめかけ、活動を交流しました。

 第一回全国交流集会が開かれたのは昨年六月でした。当時五千百七十四だった「九条の会」の総数は、それから一年五カ月の間に千六百二十七増の六千八百一に広がりました。呼びかけ人のあいさつや各地の報告には、憲法を生かす多彩な日常活動と改憲に打ち勝つ「息の長い運動が大事」との決意があふれました。

青年も自主性発揮して

 今回の交流集会では全体会と分散会(十一)に加えて、新たに青年分科会が設けられました。ここでは「どうせやるなら明るく、楽しく、かっこよく」と活動する青年たち。「七夕宣伝で折り鶴を折ってもらったら二百五十六羽にもなった」(東京・杉並)、「新聞への意見広告を出し、沖縄平和ツアーに毎年行っている」(北海道・室蘭工大)、「コンサートの参加者が千人を超えた」(神奈川・横須賀)など、自主性と創意性を大事にする青年の努力が見られました。

 草の根で発展する「会」の活動の共通点も浮き彫りになりました。さまざまな課題があるなかで、保守や革新、思想信条、所属する組織の違いを超えて「憲法九条を守る」ことでの団結を大事にし、それを貫いていることです。

 「選挙で自民党の応援の先頭に立っている人も参加し、がんばっている」、「議員の過半数、四十一人中二十三人で“議員九条の会”をつくった」などの報告には驚きの声があがりました。「町内の全戸を訪問して寄せられた募金で『憲法九条の碑』を建てた」(沖縄・南風原)などの報告も注目を集めました。「九条おじさん」と呼ばれる東京の蓑輪喜作さん(78)が、「署名は八千五百十人になった」と語ると会場からどよめきがおきました。

 今回の全国交流集会は、参院選後突然政権を投げ出した安倍晋三前首相に代わり、福田康夫首相が政権を受け継いだもとで開かれました。交流集会の参加者が、ロビーに展示された「九条グッズ」やパンフレットなどを手に、「国民の力、世論で政治が動くんだ」と語り合っていたのは実感でしょう。

 呼びかけ人の一人、評論家の加藤周一さんは「福田内閣はより手ごわい相手」とのべ「『九条の会』は九条を守ることが中心ですが、これからは『九条を生かす』ことも念頭に置く必要がある」と語りました。

 改憲をむきだしですすめようとした安倍内閣に比べ、解釈改憲で憲法を空虚なものにしようという動きを含め、攻撃がいっそう巧妙になるなか、加藤さんは、長丁場の運動を意識し、日常性に結びつけていくことが大切だと指摘しました。

創意こらし圧倒的世論を

 全国交流集会の「訴え」は、(1)「九条の会」アピールへの賛同を広げ、九条改憲反対、九条生かそうの圧倒的世論をつくる(2)職場・地域・学園で九条のすぐれた内容と、改憲案の危険な内容についての理解を深める大小無数の集会を開く(3)当面、「すべての小学校区に九条の会」を合言葉に、文字どおり思想・信条・社会的立場の違いを超えた「会」、地域・分野のネットワークをつくり、交流・協力する―などです。

 地道で創意・工夫に満ちた各地の「九条の会」の活動がさらに広がることが期待されています。



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