2007年11月19日(月)「しんぶん赤旗」

真実知りたい

子のいじめ自殺 遺族がシンポ

学校把握15件 報告1件


 いじめが原因で子を亡くした親が、真実から一番、遠ざけられている―。「親の知る権利を求める緊急シンポジウム」が十八日、東京都港区で開かれ、遺族らが自らの体験を語り、いじめの悲劇をなくすためにも、学校や教育委員会の「隠ぺい体質」を変えさせていこうと話し合いました。主催は、NPO法人ジェントルハートプロジェクト。


 十三年前、いじめによる自殺で息子=当時(14)=を亡くした男性(51)。

 担任から報告された、いじめは一件のみ。しかし、民事裁判では、息子をめぐるトラブルが十五件あり、すべて学校が把握していたことが分かりました。

 「真実を知り、原因が分かり、初めて(再発防止の)対策もとれるのに」と、悔しさをにじませました。

 高校一年生の娘をバレーボール部の合宿中に亡くした女性(55)。

 学校は、合宿から帰るバスのなかで「お母さんに渡す」といって、生徒に「知っていること」をメモさせました。

 しかし、そのメモは開示されることはなく、後日、部員からメモの存在を知らされました。

 女性は「娘の合宿中の様子を知りたい。ささいな事でも娘の生きていた証しにしたい」と部員から聞き取り、民事訴訟の時効ぎりぎりで提訴にこぎつけました。

 同法人の小森美登里理事は、(1)事実認定にいたるまでの情報を、遺族・被害者家族と学校が共有できることが必要(2)真実が隠ぺいされることで加害行為をした子どもたちが真実と向き合い反省する機会が奪われている―と指摘し、その改善を求める「親の知る権利を求める緊急アピール」を発表しました。



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