2007年11月16日(金)「しんぶん赤旗」

民間機追尾

米軍、異例の謝罪

国際規則違反認める


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(写真)記者会見する日本乗員組合連絡会議の山﨑秀樹議長(右から2人目)ら=15日、国土交通省内

 日本の民間機(JALWAYS772便)が八月八日、グアム島南方上空で、米軍の戦闘機に追尾された問題で十五日、米軍側が国際民間航空機関(ICAO)が定める規則に「違反する行為だった」と口頭で異例の謝罪をしました。

 米大使館に要請した航空安全推進連絡会議(安全会議、中沢洋議長)など三団体へ答えたもの。

 772便(オーストラリア・シドニー発)は、グアム島の南方上空で、米軍F15戦闘機二機に追尾され、異常接近を回避するTCAS(航空機衝突防止装置)のRA(衝突回避操作指示)が二回出されました。

 国際規則では戦闘機が識別不明機を確認するさいは(1)五マイル(約九千メートル)離れ、千五百フィート(約四百五十メートル)の高度間隔を保つ(2)地上の管制に民間機の所属を確認する―などの規定があります。

 国土交通省内で記者会見した航空労組連絡会(山口宏弥議長)や日本乗員組合連絡会議(山﨑秀樹議長)によると、米軍側は「国際規則を守るよう軍内部で再発防止策を決めて対処する」と答えました。

 原因として米軍側は(1)グアム空港で離発着する民間機の情報は確認していたが、上空を通過するだけの民間機の情報がなかった(2)レーダーで補足した後、地上の管制に所属を確認しなかった―など「米軍機と地上管制とのコミュニケーション不足」をあげました。

 航空三団体は国交省、外務省、米大使館に申し入れし、先月二十九日、米大使館から、米軍が発表した調査結果が報告されました。

 安全会議の高橋拓矢事務局長は「口頭だが米軍側が謝罪したのは評価できる。軍用機は民間の航空法の適用を受けない。これからも注意を喚起していきたい」と話しました。



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