2007年11月15日(木)「しんぶん赤旗」

「西海平和地帯」で協議

首脳共同宣言履行へ 南北首相が会談


 韓国と北朝鮮による南北首相会談が十四日、ソウル市内で始まりました。十月四日に第二回南北首脳会談で発表された「南北関係発展と平和繁栄のための宣言」の履行に向けた協議が目的。主に経済分野が話し合われ、黄海上の南北境界海域での「西海平和協力特別地帯」創設が最大の議題で、十六日に合意文書を発表する見通し。南北首相会談は一九九二年以来、十五年ぶりです。


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 会談には韓国側から韓悳洙(ハン・ドクス)首相、北朝鮮から金英逸(キム・ヨンイル)首相らが出席。開城工業団地と韓国側の通行・通信・通関(三通問題)、離散家族再会事業の拡大も論議されます。

 初日の会談で韓首相は「南北協力事業を活性化させ、経済共同体形成を促進すべきだ」と表明。金首相は「良い実りが得られるようあらゆる努力をする」と述べました。

 黄海上の南北境界海域は、朝鮮戦争の休戦協定(一九五三年)に境界線が明記されておらず、緊張が続く地域。国連軍司令官が設定した「北方限界線(NLL)」が事実上の境界線となってきましたが、北朝鮮との和解・協力を進めた金大中(キム・デジュン)政権期の一九九九年と二〇〇二年にも海軍艦艇同士の交戦が起き、多数の死傷者を出しました。

 南北首脳共同宣言は、この海域に「西海平和協力特別地帯」を創設し、▽共同漁業水域の設定▽北朝鮮・海州港の開発▽海州経済特区の建設▽民間船舶の海州直行路線の開通▽休戦ラインで分けられた漢江河口地域の共同利用―の五つの事業を進めるとしています。このほか、開城―新義州間の鉄道と開城―平壌間の高速道路の補修工事、南浦の造船協力団地の建設でも合意しました。

 韓国統一省は「西海平和協力地帯」の創設について、「南北の軍事力が密接している場所での経済協力は軍事的緊張を大きく緩和する」と期待しています。ただ、大規模な南北協力事業については、「北朝鮮の核問題の解決と南北関係の進展を並行推進させる」ことが原則です。

 南北は二十七、二十八の両日、北朝鮮の平壌で国防相会談を開き、朝鮮半島全体の軍事的緊張緩和と経済協力の軍事的保障措置を論議します。



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