2007年11月14日(水)「しんぶん赤旗」

ブット氏、また軟禁

パキスタン 抗議行動阻止へ


 【ニューデリー=豊田栄光】パキスタンの治安当局は十三日未明、野党パキスタン人民党(PPP)のブット総裁(元首相)を滞在先の都市ラホールの党員宅に軟禁しました。期間は七日間。ブット氏は九日にも首都イスラマバードの自宅で軟禁されており、今回は二回目です。

 PPPはムシャラフ大統領による「非常事態宣言」に抗議し、同国東部パンジャブ州の州都ラホールからイスラマバードまでの約三百キロの「反政府行進」を計画。十三日に出発、ブット氏も参加する予定でした。警察はブット氏が自爆テロの標的にされるとし、「行進」自体も許可しませんでした。

 治安部隊三千人が十三日未明、ブット氏の滞在先を包囲し、有刺鉄線を張り巡らし、検問所を設置、周辺一キロを完全に封鎖しました。

 警察幹部は「ブット氏の滞在先は現在は公式な刑務所になっている。誰も出られないしブット氏に会えない」と語り、反抗があれば、催涙ガスを含むあらゆる手段で阻止すると強調しました。

 PPPの報道担当者は「ブット氏は外出を試みている。治安当局が行進を止めようとすれば、パンジャブ州全土が戦場となるだろう」と述べました。


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