2007年11月14日(水)「しんぶん赤旗」

類人猿の新種化石

1000万年前ケニア

学名に日本人名


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 アフリカのケニアで、約一千万年前に生息していた類人猿の化石を京都大学など日本の研究者を含む国際研究グループが発見し、『米科学アカデミー紀要』電子版(十二日付)に発表しました。類人猿から人類への進化を考えるうえで貴重な発見だといいます。

 見つかったのは、歯が三本ついた下あごの右側の一部と、ばらばらになった十一本の歯です。大型のものと小型のものがあることから、少なくとも二個体分とみられています。ケニアの首都ナイロビから北西へ約三百キロメートルのところにある九百八十万―九百九十万年前の地層で見つかりました。雌のゴリラかオランウータン程度の大きさで、歯の特徴から堅いものを食べていたとみられています。

 これまで見つかっている類人猿の化石と比較した結果、研究グループは、新属新種の類人猿と判断。見つかった場所の地名ナカリと、この地域の地質の研究に従事し事故で亡くなった故中山勝博・島根大学助教授にちなんでナカリピテクス・ナカヤマイと名づけました。

 人類発祥の地アフリカでは、最近、東京大学の諏訪元教授らがケニアの隣国エチオピアで約一千万年前に生息していたゴリラとみられる類人猿の化石を発見しています。


 研究グループの国松豊・京都大学霊長類研究所助教の話 アフリカでは一千万年前ごろの類人猿化石が非常に少ないが、今回の発見で当時のアフリカにも多様な類人猿が生息していた可能性が強まった。人類や現生類人猿は、アフリカで進化した類人猿から生まれたことを示唆するものと考えている。


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