2007年11月5日(月)「しんぶん赤旗」

9条守る連帯、世界に

弁護士訪米し交流


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(写真)米国のナショナル・ローヤーズ・ギルド大会での憲法9条問題分科会で発言するパネリスト=2日、ワシントン(山崎伸治撮影)

 【ワシントン=山崎伸治】訪米中の自由法曹団と日本国際法律家協会の代表団の十人(団長・菅野昭夫弁護士)はワシントンで、憲法九条を守る日本でのたたかいについて紹介し、国際的な連帯を広める活動を続けています。

 三日は、地元平和組織のワシントン平和センター、ヒロシマ・ナガサキ平和委員会共催の交流集会が開かれ、約四十人が出席しました。

 日本側から、菅野氏が憲法改悪をめぐる日本国内の情勢について、笹本潤弁護士が来年五月に日本で開かれる「九条世界会議」などについて報告しました。

 質疑応答では米側から、「九条の廃止について米政府はどのような役割を果たしているか」「日本から九条がなくなれば、地政学的にどのような影響を及ぼすか」「日本でのたたかいに対して、米国民は何ができるか」といった質問が次々と出されました。

 在米イラン人女性活動家のシミン・ロヤニアンさんは、日本の自衛隊によるインド洋での給油活動が停止されたことを歓迎。「米政府がイランを脅迫していることなども、もっと米国民に知らせる必要がある」と述べました。

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(写真)米国の平和活動家が開いた憲法9条交流集会=3日、ワシントン(山崎伸治撮影)

 二日夜には、当地で開かれている米国の進歩的法律家団体ナショナル・ローヤーズ・ギルド(NLG)の創立七十周年記念年次大会で、憲法九条問題分科会が開かれました。同ギルド国際委員会が日本の代表団と協力して初めて開いたもので、大会代議員ら約四十人が出席しました。

 四人のパネリストが発言。同ギルド元議長でウィリアム・ミッチェル法科大学院のピーター・アーリンダー教授は、米国では第二次世界大戦後に軍産共同体化が進んだのに対し、日本では憲法九条によってそれが阻まれてきたと指摘。同ギルドで米兵の救援活動をしているマーティ・ハイケンさんは日米軍事同盟の現状について報告し、弾道ミサイル防衛での協力ぶりを告発しました。

 井上洋子弁護士は、自衛隊の海外派遣は憲法違反だが、九条によって制約を受けているため、日本政府はそれを取り払うことを狙っていると説明。笹本氏は憲法九条には国際的な普遍性があり、「武力によらない平和」という理念のシンボルとなっていると強調しました。

 意見交換では米側から、「米国の憲法にも九条を取り入れるべきだ」「九条について米国民に知らせる必要がある」といった声が出ました。

 今回の訪米でこうした取り組みが実現したことについて、菅野弁護士は「憲法九条について意見交換ができたことは、九条を守る運動にとって大きな一歩だ」と強調しています。



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