2007年11月1日(木)「しんぶん赤旗」

海自、インド洋撤収へ

テロ特措法 きょう期限切れ

世論が追い込む


 現行テロ特措法が二日午前零時に期限切れになります。これに伴い、同法に基づいてインド洋で米軍艦船などに給油活動をしてきた海上自衛隊の補給艦は活動を中断し、撤収します。憲法違反の自衛隊の海外派兵は一九九二年以降継続されてきましたが、派兵継続に反対する国民世論を受けて派兵が中断されるのは、今回が初めてです。


 第十九次派遣部隊として八月からインド洋で活動を開始した補給艦「ときわ」は十月二十九日、パキスタン艦に対し最後の給油を実施。護衛艦「きりさめ」とともに十一月下旬に、それぞれ佐世保基地(長崎県)と横須賀基地(神奈川県)に帰港します。

 現行テロ特措法は、二〇〇一年の9・11対米同時テロを受けて成立。その後、三度延長されました。しかし七月の参院選で、同法延長に反対する野党が参院で多数を占めたことにより、延長が不可能になりました。自民、公明の与党は派兵継続の新テロ特措法案を国会に提出していますが、日本共産党はじめ野党が反対しているため、成立の見通しはたっていません。

 自衛隊は一九九二―九三年のカンボジアPKO(国連平和維持活動)への派兵以来、PKO法、テロ特措法、イラク特措法に基づき、モザンビーク(南部アフリカ)、ゴラン高原(中東)、東ティモール(東南アジア)などへの海外派兵を続けてきました。

 インド洋の給油活動は、アフガニスタンで「対テロ報復戦争」(米軍作戦名「不朽の自由作戦」)を実施している米艦船などへの支援です。紛争終結後のPKOなどと違い、初の実戦支援として重大な憲法違反の派兵でした。しかも給油相手の米艦船は、テロ特措法が支援対象とする「海上阻止活動」(MIO)だけでなく、アフガン空爆やイラク作戦・戦争も同時に実施しています。

 アフガン国内では平和と和解のプロセスの探求が始まっています。日本共産党は、日本が報復戦争支援をやめ、政治的和解を促進する外交努力を尽くすよう主張しています。

 福田康夫首相は衆院テロ特別委員会での答弁で、和平プロセスの重要性を認める一方で、派兵継続に固執。自衛隊の海外派兵を常態化するための派兵恒久法について「国会で議論すべきだ」とし、その制定をめざす意図を示唆しています。



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